研究課題/領域番号 |
24320097
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
岡本 能里子 東京国際大学, 国際関係学部, 教授 (20275811)
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研究分担者 |
服部 久美子 和洋女子大学, その他部局等, 教授 (70218501)
奥泉 香 日本体育大学, その他部局等, 教授 (70409829)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ビューイング / 日本語教育 / 英語教育 / 国語教育 / マルチリテラシーズ / メディア・リテラシー / カリキュラム / 絵本 |
研究概要 |
2年目は、9月に岡本、奥泉がオーストラリアを訪問し、シドニー工科大学で再度マルチリテラシーズの第一人者であるLen Unsworth教授と情報交換し、3年目の秋に関連学会においてマルチリテラシーズ研究についての招待講演の依頼をし、快諾を得た。 また、奥泉が、5月かにUnsworth教授を訪問し、招待講演について具体的に検討する事となった。昨年に続き、マルチリテラシーズ教育の実践者であるクイーンズランド大学のDr. Kathy Mills氏とも会合を持ち、特にマルチリテラシーズ教育の評価についての情報を得た。 服部は、平成25年9月28日(土)に和洋女子大学においてシンポジウム「メディアと教育―Viewing 教育の可能性」を開催した。4名の講演を通し、Viewing教育の多様な可能性の提起と、問題点が議論された。服部は更に、26年2月にロンドンの、British Film Institute とロンドン大学Senate House Libraryを訪問し、英国でのメディア・リテラシー教育およびマンガや他のメディアによる英文学教育(シェイクスピア教育)の現況についての情報、資料、文献収集を行った。 門倉は、マルチリテラシーの観点からデジタル国語教科書を分析し、樋口は、25年10月から26年3月までに当該教科書を使った日本語非母語話者への学習支援の実践を行った。ここでメリットとデメリットを確認し、通常の教科書をデジタル版にしただけという印象があり、まだ日本の学校教育において多様な感覚を総動員する学習を志向する「多相的なmultimodal」教授法・学習法が,根付いていないことが窺える。デジタル教科書の多相性を活かし、マルチリテラシーズペダゴジーをもとにした学習方法を提案していくことの重要性を確認できた。 以上、最終年度の招待講演開催とそれら成果をまとめた研究書刊行に向けての基礎準備を整えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年計画していたが実行できなかった中国、英国調査の内、英国調査も実施でき、オーストラリアの再訪問、服部によるシンポジウムの開催、門倉、樋口による、デジタル教科書の分析と実践を行うことができた。フィンンランド、カナダへの訪問が叶わなかったが、分担者協力者ともそれぞれの調査や研究、実践を通して、上記成果と発信ができたため、上記評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の成果をふまえ、今年度は、5月、8月にそれぞれ、オーストラリア、米国、カナダ訪問を通した研究者との情報交換と交流を行なう。それらの成果をもとにシドニー工科大学のUnsworth教授を招聘し11月に、全国大学国語教育学会、日本言語政策学会において講演会を開催し、今後の教材開発、研究書刊行へと繋げる。 次年度は、オーストラリアの研究者との情報交換、学会発表を行い、実施できていないメディア・リテラシー教育の本場であるカナダを訪問し、研究者との交流を行う。それらをもとに招待講演によりマルチリテラシーズの観点から「ビューイング」を言語教育に取り入れる意義を確実に発信する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査予定だった中国、フィンランド、カナダおよびフィジー訪問について、現地との日程調整が合わず訪問できなかったため。 海外研究者招聘とシンポジウム開催に関係する謝金、旅費、宿泊にあてる。また、成果をまとめた書籍刊行に使用する予定。
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