研究課題/領域番号 |
24320097
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
岡本 能里子 東京国際大学, 国際関係学部, 教授 (20275811)
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研究分担者 |
服部 久美子 和洋女子大学, その他部局等, 教授 (70218501)
奥泉 香 日本体育大学, その他部局等, 教授 (70409829)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教授法 / カリキュラム / ビューイング / 国語教育 / 日本語教育 / 英語矜育 |
研究実績の概要 |
最終年度である3年目は、マルチリテラシーズ研究の第一人者であるオーストラリアーカトリック大学のLen Unsworth教授を11月に招聘するため、岡本と奥泉が綿密な打ち合せを行った。その結果を、分担者である奥泉が5月に再度シドニーのLen Unsworth教授を訪問して伝え、招待講演の内容、当日までのスケジュール等について最終依頼を行った。5月に、岡本が日本言語政策学会の分科会「メディアと言語政策」をコーディネートし、メディア・リテラシー教育の重要性を広く伝えた。岡本、奥泉、服部は、協力者門倉から、メディア・リテラシーとマルチリテラシーズ研究の最新情報の専門知識の提供を数回受け、11月の招待講演の準備を整えた。11月3日に、Len Unsworth教授を招聘し『多言語・多文化社会におけるマルチリテラシーズ教育の重要性』と題した招待講演を、岡本が企画・コーディネートし、日本言語政策学会と本科研の共催で京都大学において開催し、約60名の研究者や院生との活発な議論が行われた。11月8日に奥泉は、日体大において「メディア経験と言葉の教育」と題したシンポジウムを開催し、Unsworth教授の講演と研究者の発表を通して絵本とアニメーションで体験する場合の言葉の教育のあり方について学ぶ機会を得た。服部は、1月に英国のストラットフォード・アポン・エイボンにあるバーミンガム大学シェイクスピア・インスティチュートを訪れ、最新のシェイクスピア批評動向を探ると同時に、附属図書館でグラフィック・ノベルについての未出版研究論文や参考図書を入手。ロンドンのブリティッシュ・フィルム・インスティチュートで、現在英国の学校で実際に使用されているメデイア・リテラシー教育のテキストとDVDを入手し、英語教育の現状を報告した。以上の成果により日本の言語教育へのビューイング教育導入の必要性について確認し合った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定どおり、奥泉がオーストラリアを、服部が、英国訪問を果たし、マルチリテラシーズ研究第一人者の研究者を迎えた招待講演を2回、京都と東京で開催し、日本ではまだ必要性の認識が弱い言語教育へのビューイング導入が喫緊の課題であることを広く伝えることができた。ただ、代表者の岡本と奥泉が訪問予定だったカナダ、アメリカ訪問が叶わなかったため、教材開発や、成果の刊行の準備が整わず、訪問予定のために残しておいた経費も未使用となった。よって延長申請を行う結果となったため、上記評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の招待講演や各地での情報収集、ネットワーク構築の成果に加え、まだ訪問が叶っていないアメリカ、カナダを訪問し、メディアリテラシーの研究者との情報交換と交流を行なう。また、日本言語政策学会の春の大会でも「マルチリテラシーズと言語政策」と題する分科会と、岡本が分担者として関わりネット上に公開している多言語多文化教材の実践をふまえ、ビューイング教材の作成へと繋げる。それらをもとに、学会発表や論文、更に刊行本の執筆に取りかかり、日本語、国語、英語教育へのビューイング教育導入の必要性を広く発信し、具体的な政策提言へと繋げる。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定どおり、京都と東京でマルチリテラシーズ研究第一人者の研究者を招聘し、公開講演会を2回実施した。これまで得た知見をもとに、代表者の岡本と奥泉がカナダ、アメリカを訪問し、現地研究者との情報交換と成果報告に向けての会合を持つ予定だった。しかし、上記招聘の準備とフィードバックに時間を費やすこととなり、カナダとアメリカの訪問が叶わず、教材開発や、成果の刊行の準備が整わず、それらにあてる予定であった経費が未使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度の招待講演や各地での情報収集、ネットワーク構築の成果に加え、まだ訪問が叶っていないアメリカとカナダの研究者を訪問し、意見交換を行う。その結果をふまえた教材開発、最終成果の発信、出版を行う。これらの経費に使用する予定。
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