研究課題/領域番号 |
24320102
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
川口 裕司 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20204703)
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研究分担者 |
高垣 敏博 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (00140070)
海野 多枝 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (00251562)
斎藤 弘子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10205669)
吉冨 朝子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40272611)
鈴木 玲子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40282777)
上田 広美 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60292992)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 言語コーパス / 学習者言語 / 言語学 / 応用言語学 |
研究実績の概要 |
ヨーロッパ言語班:川口は、2013年3月に現地収録した延べ651時間の自由談話全体の文字化を行った。また、同コーパスと他のコーパスについて、口蓋化現象等の音声分析に着手した。 高垣は、これまでに作成、もしくは収集したスペイン語話し言葉コーパスに関し、スペイン語圏および英国の専門家との面談を通じて評価を受け、研究方針への指針を得ることができた。今後はこれを参考にし、具体的文法事象の分析を進める予定である。斎藤は、あらためて日本語と英語のプロソディーの対照研究を行った上で、これまでに集めてきた学習者の音声データを整理し、分析を始めた。吉冨は、既存の英語学習者のナラティブ・コーパスを拡充し、流暢さ・自然さに影響する要因の内、語彙選択・定型表現(とりわけ様態動詞を含む句動詞)の使用の観点から帰国子女と非帰国子女を比較する言語分析に着手した。 アジア言語班:上田は、引き続きクメール語のコーパスの拡充のため書記言語に加え口語資料を探した。収集した資料の一部を利用し、クメール語の形容詞文について研究成果を発表した。鈴木は、昨年度に引き続き書記言語資料(ラオス現代文学)を利用してコーパスデータの構築をはかった。また、既存のデータを利用してラオ語における機能語についての分類と特徴を検討し、学会にて発表した。海野は、上級日本語学習者の日本語作文データを収集し、コーパス化の作業を継続した。これまで構築したコーパスと言語教育への応用に関する論考を論文にまとめ、雑誌に公刊した。また、関連する学会発表を行った。川口は、2014年12月にイスタンブールで収録されたトルコ語の自由談話の文字転写を進めつつある。また、一部のコーパスに現れる談話標識を、統語論および語用論の観点から分析し、パリ第10大学で報告した。さらに、本コーパスおよび科研の取組みについて、臺灣師範大學で開催された国際シンポジウムで招待講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フランス語、スペイン語、トルコ語、ラオ語、クメール語では着実に言語コーパスが構築されてきている。英語と日本語においても学習者言語データのコーパス化が図られてきている。言語コーパスに基づいた分析も、昨年度以来、かなり進められてきており、一定の成果を得られることは間違いない。今後は、その成果を実際の音声・文法・語彙のそれぞれの教育に十分な形で応用できるようにするための努力が必要となる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの達成度でも述べたように、言語コーパスに基づいた分析は、それぞれの研究者が進めてきており、年度末に論集・紀要等において、成果発表を行うことができるであろう。一方、今後は、さらに研究成果を音声・文法・語彙の教育に応用できるようにするための検討も必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度中に支払いを行う予定であったトルコ語話しことばコーパスの文字転写謝金が、文字転写作業の遅れによって、2015年度に持ち越されたため、上記の次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
トルコ人研究者と既に了解がなされており、2015年度前半に転写が終了し、それに対する謝金を支払うことができる。
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