研究課題/領域番号 |
24320124
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 基郎 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (40251475)
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研究分担者 |
小原 嘉記 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (40609202)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 東大寺文書 / 黒田荘 / 史料論 / ユニオンカタログデータベース / 中世寺院組織 / 東大寺の荘園経営 / 東大寺図書館所蔵記録類 / 東大寺学侶方 |
研究実績の概要 |
東大寺図書館所蔵薬師院文書未整理分の調査を実施。特に模写図を中心に整理を行った。東大寺文書の原本調査を行い、接続他の確認作業を行った。(旅費) 記録類(中世分)の解題については、薬師院史料記録部55件、記録部141B(宝珠院記録)27件、雑部5件を果たした(特任研究員)。ユニオンカタログDBデータのブラッシュアップとしては、第1部25、第3部1、第3部4、第3部12につき、文書名修正・年月日修正・翻刻刊本情報付加などを果たした。また年預五師表のブラッシュアップも行った。これは無年号文書の年号を比定する上で極めて有用である。(特任研究員・学術支援職員)。寺外文書について、京都大学所蔵宝珠院文書・京都市歴史資料館所蔵燈心文庫文書・慶應大学文学部古文書室所蔵東大寺文書のデータをユニオンカタログDBに追加した(学術支援職員)。 第2回研究会を実施。黒田荘に関する文書分布状況、鎌倉時代の東大寺財務、東大寺文書出納日記の復元、中世後期における学侶方の実態など、5本の報告を得た。特に学侶方については、従来の研究では手薄な分野であり、今後の展開が期待される。 代表者遠藤が、高精細デジタル画像のデータベース活用の実践例を公開シンポジウムで報告した。 研究分担者小原が共同執筆者である『三重県史資料編古代・中世』が刊行された。この地域の文書は、東大寺文書中に占める割合が極めて高いが、これまで完備する史料集がなかった。今後の研究に資するところ大である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、8点の課題をあげた。そのうち東大寺未成巻文書未整理分の原本調査を行えなかった。また接続復元についてもDB上に反映させるにいたらなかった。しかし、これ以外については、ほぼ所期の成果を果たしているため。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進展しており、ルーチンも確立している。ただしユニオンカタログでのデータあるいは年預五師表については、最終的なつめが必要である。特任研究員・学術支援職員と研究代表者との間で、知識の共有など密に連携することで、より精度を高めていきたい。また成果の発信については、ホームページを一層活用するとともに、所蔵者東大寺と連携して、より効果的な成果の社会還元を追求したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
接続確認をしたもののの数量が多くなく、経費節減の観点から今年度の登録作業を見合わせた。また次年度、公開研究会を実施する予定であり、その参加のための旅費の確保の必要性が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度実現できなかった接続登録作業を行う。公開研究会参加のための旅費に充当する。
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