研究課題/領域番号 |
24320136
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神奈川県立金沢文庫 |
研究代表者 |
西岡 芳文 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 学芸課長 (90443407)
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研究分担者 |
福島 金治 愛知学院大学, 文学部, 教授 (70319177)
津田 徹英 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 企画情報部, 室長 (00321555)
伊藤 聡 茨城大学, 人文学部, 教授 (90344829)
向坂 卓也 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 主任学芸員 (10443409)
岡本 綾乃 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 主任学芸員 (40443410)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 日本史 / 仏教学 / 国文学 / ネットワーク / 美術史 |
研究概要 |
1.初年度の研究としては、東日本大震災で被害を受けた福島県いわき市長福寺本尊・地蔵菩薩坐像納入文書の調査に比重を置いた。法華経写経の裏面に散在する書状の接合・復元作業を進め、年度末までに大方の接合作業を終え、解読もほぼ一通り出来上がった。また、長福寺御住職と福島県立歴史資料館の渡辺智裕氏のご案内によって、いわき市内の真言律宗寺院を巡検し、立地条件などを確認することができた。納入文書の調査成果は『金沢文庫研究』330号に概報を掲載し、本彫刻および納入品の重要文化財指定に寄与した。 2.横浜市金沢区の瀬戸神社に伝来する文化財の調査を実施、あわせて金沢文庫保管「称名寺聖教」から中世の瀬戸神社にかかわる資料の検討・翻刻を進めた。伊豆の三島大社・武蔵の鷲宮と並んで、鎌倉の一角に位置した瀬戸神社の重要性が浮かび上がってきた。この研究成果は金沢文庫の特別展「瀬戸神社~海の守護神」図録に収録した。 3.宝生寺・龍華寺の聖教については、実物を金沢文庫に移動して燻蒸処置を施した。また横浜市教育委員会による過去の調査データを借用し、今後の調査計画を検討中である。 4.このほか、共同研究者の津田氏による仏光寺本『善信(親鸞)聖人伝絵』の調査研究を進め、通説をはるかに遡る南北朝時代の制作であることを考証した。これにより本絵巻が東国初期真宗の重要な遺品であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長福寺像内文書の研究に主力を注いだため、他の研究課題については準備段階にとどまっているが、着手する態勢を整えることができた。金沢文庫保管「称名寺聖教」に含まれる説草の研究については次年度から精力的に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
聖教類の調査については、外部調査員を依頼し、次年度から着手し、積極的に進める予定である。またフィールドワークを要する研究については、現地相手先との調整が必要なので、順次着手していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度繰越額については、本年度内に準備段階までしか進めなかった調査・研究費の実施費用として新年度の初めに支出する予定である。新年度分の研究費は昨年度に実施できなかった事業と合わせて使用していく予定である。
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