研究課題/領域番号 |
24320143
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
松本 ますみ 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30308564)
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研究分担者 |
権 寧俊 新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (20413172)
大野 旭(楊海英) 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (40278651)
吉開 将人 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (80272491)
小林 敦子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90195769)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 中国近現代史 / エスニシティ / 民族教育 / 民族覚醒 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
本研究は、中国周縁のエスニシティが「民族」として覚醒する近代の過程を比較検証した。北方のモンゴル人(現在のモンゴル族)、回民(回族)、中国・「満洲国」内の朝鮮人(朝鮮族)、西南の苗族・夷族(彝族)・蔵族であった。この時代、中国周縁エスニシティは他者との出会いを通して、独立、自立・自尊運動、あるいは「民族自決権」をもつものとして、覚醒運動をおこなった。その方向性は、あるものは中国や日本といった「大国」からの政治的独立をめざしたり、中国や日本による統治の逆政治利用を行った。あるものは、中国領域内での文化的・社会的権利獲得、中国以外の地からの知の流入と人的関係構築による民族自覚を行うなど、多様であった。彼らの自立・自尊の契機がどのような政治的契機や圧力、経済的問題、教育思想、居住・生活形態と関わっていたのかについて、本研究では明らかにした。 松本ますみは回民の経堂教育の衰退とペルシャ語学習の衰退に着目し、合理化された近代的宗教教育の導入こそが「民族」覚醒を促したとした。小林(新保)敦子は、日本占領下の北京の回民女子学校、実践女子中学に焦点をあて、日本主導の良妻賢母型教育が回民にほとんど受け入れられなかった事実を証明した。楊海英は日本が「満洲国」につくった陸軍興安軍官学校の軍歌に着目し、その尚武の精神がひそかなモンゴル独立の気概をあおったことを示した。権寧俊はその一方で朝鮮人主導の「新興軍官学校」が朝鮮独立運動の指導者を育成したことを示した。吉開将人は、中国西南部の苗、夷、蔵といったエスニシティが1949年以降中華人民共和国に取り込まれた原因の一因を歴史的羈縻政策、長征中の博巴政権、民族政策の経験不足であることを明らかにした。そして、エスニシティの伝統的エリートを幹部として登用することで共産党側に有利に働くようにしたと結論づけた。20世紀現象としての民族覚醒の多様性が証明された。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額の使用計画 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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