研究課題/領域番号 |
24320145
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
長崎 暢子 龍谷大学, 人間・科学・宗教総合研究センター, 研究フォロー (70012979)
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研究分担者 |
篠田 隆 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20187371)
粟屋 利江 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00201905)
石坂 晋也 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 研究員 (20525068)
上田 知亮 龍谷大学, 現代インド研究センター, 客員研究員 (20402943)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ガーンディー / アンベードカル / 多元的共生 / インド民族運動 / 格差 |
研究概要 |
本プロジェクトの第1回研究会(12月2日)では、池上彩氏(Open University,U.K.)カミカルナータカのマタという組織について、長崎が「ガーンディーは日本をどう見たか一初期ガーンディーのアジア観と『アジア主義』」について、第2回研究会(2013年2月22日)では、篠田が「インド・グジャラートにおけるアンベードカル思想・運動の継承と展開」について、粟屋が「アニー・ベサントからガーンディーヘージェンダーと不可触民問題を中心に」について、それぞれ個別研究の成果を報告した。篠田の報告は、本研究のために行ったインドでの調査の暫定的な結果を含むものであった。このように、個別研究は順調に進行している。 また、本年度は、本研究単独の研究活動のみならず、関連分野の研究会や国際ワークショップなどでも活発に報告を行い、研究の深化を図った。長崎は、まず、NIHUプログラム「現代インド地域研究」龍谷大学・京都大学合同国際ワークショップ(6月29日~7月1日)において、戦後初期の日印関係を振り返りつつ、ネルーの平和路線が日本に与えた国際的影響を論じた。また、第3回現代インド社会研究会(9月24日)では、「ガーンディーからアンベードカルへ:その合意と対立」を報告し、アンベードカルがカースト差別からの脱却を図るべく、仏教に改宗したことの意義を、仏教学の専門家と議論した。さらに、NIHUプログラム「現代インド地域研究」2012年度国内全体集会「現代インドにおける社会変動とデモクラシー一格差と参加のダイナミズム」(11月23日)において、「国家間の格差解消から、社会における格差解消ヘーガーンディーとアンベードカル」と題する報告を行って、本研究の中心的成果を報告した。 なお、第1回研究会で報告した長崎の論考は、松浦正孝教授の編集で刊行されたが(業績欄参照)、立教大学で開かれた合評会において日本研究に携わる人たちの関心を惹き、交流を深めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ガーンディーとアンベードカルは、これまで、どちらかといえば対立面が強調され、比較と継承いうかたちでは研究されてこなかった。本年度は、こうした新しい文脈を設定し、それを共有することに力点を置くとともに、インド近現代史にとっての両者の貢献を議論しようと試みた。これらの点で、当初の計画はおおむね順調に進んでいると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、ガーンディー研究からアンベードカル研究に重点を移し、現地調査の可能性も含め、新しい比較の視点を開拓したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度は、予定していた海外出張が一つキャンセルされたこともあって、資金を今年度に繰り越した。今年度は予定どおり遂行される予定である。
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