研究課題
本研究は、日本列島における後期旧石器文化成立の一端を解明するため、最終氷期における列島への北からの移住史について、考古学・形態人類学の両面から探求する。そのために、(1)北海道・嶋木遺跡の発掘調査を通じて、これまで情報が乏しかった同地域における後期旧石器時代初頭の文化形態について明らかにし、(2)これをシベリア南東部・中国北部・モンゴルの考古試料と比較し、さらに(3)日本・中国・モンゴルから知られている後期更新世~完新世前半の人骨化石の詳細な形態学的比較分析を実施する。平成25年度は、本研究の最終年度のため、研究の完成を目指し、必要に応じて研究の補足調査などを行い、学会発表、論文、および一般講演等の形で成果を公表してきた。概要は以下のとおりである。(1)北海道上士幌町嶋木遺跡の発掘調査:2014年8月に発掘調査を実施した。当初の予想よりも石器集中は拡がりを見せたため、研究終了後も調査を継続する予定である。成果は、毎年の概要報告を国内の関連学会で発表、また遺跡の自然形成過程分析と石器分析については英文雑誌Geoarchaeologyに昨年度末に受理され、2014年4月に掲載となった。(2)モンゴルのフィールドワークを2014年6月と9月に実施した。これまでの成果については、2014年6月の東アジア考古学会と2015年4月のアメリカ考古学協会で公表した。(3)2015年5月に国内研究者向けシンポジウム、2015年11月に国際ワークショップを開催し、これまでの成果を公表すると共に、今後の研究成果のまとめのための討論を行った。(4)人類学的な意義については、本研究の一部の成果を用いて、"Emergence and Diveristy of Modern Human Behavior in Paleolithic Asia"研究論文集を2016年2月に刊行・公表した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (21件) (うち招待講演 3件) 図書 (12件)
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