研究課題/領域番号 |
24330013
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川島 富士雄 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80234061)
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研究分担者 |
川瀬 剛志 上智大学, 法学部, 教授 (60275302)
東條 吉純 立教大学, 法学部, 教授 (70277739)
武田 邦宜 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (00305674)
林 秀弥 名古屋大学, 法学研究科, 准教授 (30364037)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際経済法 / 競争法 / 東アジア / 産業政策 / 国有企業 / 競争上の中立性 / 中国:ベトナム:マレーシア |
研究概要 |
本研究は、中国、ベトナム、マレーシア(以下「三ヶ国」)等東アジアの移行経済国乃至国有部門の比重の大きい国家における市場と政府の関係に見られる特徴が、国際経済法上、いかなる課題を突きつけているか明らかにし、それらの課題に対する理論的かつ実務的な解決策を提示することを目的とする。国内経済法グループは、9月に中国政法大学と共催で独占禁止法による企業結合審査の日中比較分析を主眼とした国際シンポジウム(北京)を開催すべく準備を進めたが、日中間の尖閣諸島をめぐる紛争の激化を受け、開催を延期せざるを得なくなった。これを受け、中国人研究者による企業結合審査に関する国内セミナーを開催するとともに、当初次年度以降の課題としていたベトナム及びマレーシアの競争法研究者の招へいを前倒しし、彼らによる実務者向けセミナーを開催するとともに、両国における競争法運用の実態、特に国有企業に対する法適用と産業政策の影響の有無について明らかにした。国際経済法グループでは、経済法グループによる調査研究の成果を緊密に共有しながら、市場と政府の関係の差異をめぐる法現象について物、サービス及び投資の分野毎に分析を進めた。具体的には、(1)環太平洋経済連携協定(TPP)交渉における国有企業と民間企業の「競争上の中立性」を確保するための規律案の動向、(2)経済協力開発機構(OECD)における「競争上の中立性」規律の検討の動向、(3)(1)と(2)の両者に影響を与えているオーストラリアにおける「競争上の中立性」規律の導入経緯及び運用状況について明らかにした。これらの成果の一部は、平成24年度の研究業績として公表した外、平成25年度以降、順次公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経済法グループは、平成24年度には日中独占禁止法による企業結合審査に関する国際シンポジウム(北京)を開催すべく準備を進めてきたにもかかわらず、尖閣諸島をめぐる日中紛争の激化を受け、急きょ開催を延期せざるを得なくなった。そのため次年度に計画していた、ベトナム及びマレーシアの競争法の運用に関する研究を今年度に繰り上げた。他方、国際経済法グループの研究は、ほぼ計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に予定し準備を進めてきたものの急きょ開催延期となった北京における国際シンポジウムを改めて開催する。経済協力開発機構(OECD)、国連貿易開発会議(UNCTAD)等国際機関における「競争上の中立性」規律に関する検討状況を把握すべく、これらの担当官への聞き取り調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度には日中独占禁止法による企業結合審査に関する国際シンホジウム(北京)を開催すべく準備を進めてきたにもかかわらず、尖閣諸島をめぐる日中紛争の激化を受け、急きょ開催を延期せざるを得なくなった。平成25年度は同シンポを改めて開催する。その他、平成24年度度に計画しつつも、先送りした研究用データベースの使用料の支出を計画している。
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