研究分担者 |
藤田 友敬 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80209064)
森下 哲朗 上智大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80317502)
小塚 荘一郎 学習院大学, 法学部, 教授 (30242085)
沖野 眞巳 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80194471)
高杉 直 同志社大学, 法学部, 教授 (60243747)
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研究概要 |
1.私法統一の時的フェーズに応じた「失敗の本質」に関する経験的・実証的研究:(1)平成24年度は,国際的な私法統一の「成功/失敗の条件」を同定するための基礎作業として,問題意識を共有する外部研究者を招聘した研究会を開催したことに加え,メンバーの共同執筆による「私法統一の現状と課題」と題する雑誌連載を開始した(平成25年4月から『NBL』誌に掲載(全8回予定))。これは,主に法統一文書の「作成」フェーズに注目したものであるが,その執筆の過程において,「実施」「改廃」フェーズに関する問題状況についてもメンバー間で一定の認識を共有するにいたった。(2)また,私法統一を担う機関の実態調査として,国際鉄道運送機構(OTIF)の訪問調査を行なうとともに,地域的法統一に関してアフリカのOHADA及び(国際的法統一と地域的法統一の組み合わせに腐心してきた)北欧諸国における法統一の実態調査を行なうために関係者に接触するなど準備作業を行なった。(3)個別法分野については,主にメンバーの個別研究の集積というかたちで行なったが,担保法分野の法統一について,メンバー以外の研究者も招聘した研究会を開催し,その成果の一部を論文として公表した。 2.法統一の正当性に関する理論研究:法統一の正当性に関する理論研究は,地域的法統一の問題性が世界的に注目されるにいたっていることを反映して,「地域的法統一」に重点をおいたものとなった(上記1(2)が地域的法統一を多く扱っているのもそのためである)。具体的には,UNC(TRALアジア太平洋地域センター長を招いた研究会を実施した他,同センターが主催した「国際的法統一」・「地域的法統一」・「国内立法」の緊張関係に関する専門家会合にメンバー3名が参加・報告を行ない,諸外国の専門家との意見交換を行なうとともに,今後の研究に向けたネットワーク形成を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画にほぼ沿った研究,また,前倒しの研究を行なうことができた。特に平成26年度に予定していたワークショップを平成25年中に行なうこととし,それをターゲットとして雑誌連載を開始することができたことが研究の進展に寄与した。他方で,理論研究面では「法と経済学」の視点からの研究についてはメンバーの個別研究として行なうにとどまり,その成果をメンバー間に共有することは次年度に持ち越しとなった。
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