研究課題/領域番号 |
24330025
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
曽野 裕夫 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (60272936)
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研究分担者 |
藤田 友敬 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 教授 (80209064)
森下 哲朗 上智大学, 大学院法学研究科, 教授 (80317502)
小塚 荘一郎 学習院大学, 法学部, 教授 (30242085)
沖野 眞已 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 教授 (80194471)
高杉 直 同志社大学, 法学部, 教授 (60243747)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 私法統一 / 法の統一 / 法統一 / 地域的法統一 / 私法統一の付加価値 |
研究概要 |
1 私法統一の時間的フェーズに応じた経験的・実証的研究: (1) 平成25年度は,国際的な私法統一の「成功/失敗の条件」を同定するための基礎作業として,問題意識を共有する海外研究者を招聘した研究会を開催したことに加え,メンバーの共同執筆による単行書『私法統一の現状と課題』を刊行し(平成25年4月~9月の『NBL』誌連載をもとにした出版である),そこで得た知見をもとに私法学会におけるワークショップ「私法統一のもたらす価値」を開催した。これは,主に法統一文書の「作成」フェーズに注目したものであるが,その準備過程で「実施」「改廃」フェーズに関する問題状況についても問題意識を深めるにいたった。この問題意識は,メンバーによる個別研究に集積にも反映され,特に「実施」に関して,国際油濁補償基金,ロッテルダム・ルールズ,証券条約に関する書籍・論文の刊行や学会報告を行った。 (2) また,私法統一を担う機関の実態調査として,地域的法統一に関してOHADAにおける統一契約法作成状況と課題についての調査を行ったほか,UNCITRALの事務局長及びアジア太平洋地域センター長,ハーグ国際私法会議事務局長の来日時に活動状況についての聞き取りを行うことができた。 (3) 個別法分野については,主にメンバーの個別研究として,上記(1)に述べたものに加え,売買や紛争解決分野について,その成果の一部を論文や学会報告として公表した。 2 法統一の正当性に関する理論研究: 「私法統一のもたらす付加価値」という視角,及び,「私法統一」という現象の多様性について,今後の研究につながる萌芽的な知見を獲得できたが,本格的な理論展開にはいたらなかった。また,「地域的法統一」における普遍性と地域性の緊張関係について検討を行ったが成果の公表にはいたっていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定した研究計画に沿って調査・研究が進み,特に,私法統一の時間的フェーズに応じた経験的・実証的研究は,順調に中間的な成果公表にもいたっており,当初計画よりも前倒しで研究が進んでいる。他方,法統一の正当性に関する理論研究については,調査・研究を進め,今後の研究の方向性も見定めることはできたが,本格的な理論展開にはいたらなかった(もっとも,その一部については,平成26年度中の公表を予定している)。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の大きな変更は予定していないが,最終年度(平成27年度)に予定していた国際カンファレンスの一部を前倒しして,年度末に開催することを予定している。なお,研究を遂行するうえでの障害には特に直面していない。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額(基金部分165,587円)が生じたのは,経費の効率的な使用を行ったことによるものである。 この残額については,当初は平成27年度に予定していた国際カンファレンスの一部を前倒しで平成26年度に実施するための経費として使用する計画である。
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