研究課題/領域番号 |
24330033
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
南野 佳代 京都女子大学, 法学部, 教授 (60329935)
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研究分担者 |
手嶋 昭子 京都女子大学, 法学部, 准教授 (30202188)
澤 敬子 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60340444)
岡野 八代 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (70319482)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 法とジェンダー / 司法教育 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
研究目的の全体構想として平成24年度交付申請書に記載した内容:司法のジェンダー公平性に対する国民の信頼の基礎は、ジェンダーにかかわる社会的事実の理解と、ジェンダー公平は司法が追求すべき価値理念であるとの裁判官の確信を伴う裁判であることを検証することである。特に本研究は、法曹継続教育のうち、対象を裁判官への教育(司法教育)に絞った研究である。 具体的には、裁判官に対する継続教育と行動規範の制定、手引書作成、情報提供等を、裁判官の訴訟運営、裁判所運営等を含む、ジェンダー公平な司法行動を支援するパッケージと位置づけ、その内容、方法(教育、情報提供、表彰など)、効果を、支援制度を担う司法教育機関と、支援される裁判官への調査により実証し、それらを大陸法圏、英米法圏、法継受国の比較により明らかにすることを目的とする。また、同申請書に記載した平成26年度の研究実施計画の概要は以下の通り。 前半においては、ジェンダーに関する司法教育に携わっている研究者、実務家等による国際シンポジウムを日本で行う。米国、独、豪、加、EUにおいて司法教育の実践や制度設計にかかわった指導的実務家・研究者を招へいする予定である。 並行して、各国の司法倫理規定あるいは裁判官行動規程についての調査および研究に着手する。 後半においては、米国の裁判官継続教育のための裁判官によるNGOであるNational Association for State Judicial Educators (NASJE)における全国研修大会において調査活動を行う他、これまでの調査により収拾した行動規程を理論的に検討する。また、裁判官への手引についてジェンダーに関する社会的事実認識を裁判官への支援として提示する方法を明らかにするため、詳細に検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究および成果発表活動につき、倫理規定の検討についは若干遅れているが、それ以外の計画は海外からのゲストを招いての国際シンポジウムおよびワークショップを含め、計画通り実施できた。よって概ね順調であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には研究計画に従い、成果報告準備を、国際学会での報告も含め、進めていく。また、研究の進捗に伴い、明らかとなってきた、司法政策と司法教育との関連を他国との比較において検討するため、今年度は国際公共政策学会において欧州における近年の司法改革の在り方とその成果についてをテーマとする国際会議に参加する。あわせて最近設置されたイタリアの研修所における司法教育につき調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度において、海外からジェンダーに関する司法教育関係者、研究者、司法教育講師経験者、州最高裁判所裁判官、州最高裁判所元裁判官を招いて国際会議を行うための経費を賄うため、2013年度の支出を抑えて準備していた。国際会議は計画通りに実施されたが、招聘予定であったカナダブリティッシュコロンビア州最高裁判所元裁判官には、直前の体調不良(肺炎)のため、来日が叶わなかったため、旅費、滞在費等が使用できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度においては、研究の進捗に伴い、司法教育をより大きな司法政策の理論的文脈において検討する必要が生じた。そこで、当該テーマで開催される国際学会および調査実施対象を追加して研究を実施するために使用することとした。
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