研究課題/領域番号 |
24330043
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 敬愛大学 |
研究代表者 |
家近 亮子 敬愛大学, 国際学部, 教授 (10306392)
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研究分担者 |
嵯峨 隆 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (10178585)
清水 麗 桐蔭横浜大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80338300)
青山 瑠妙 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20329022)
川島 真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90301861)
阿南 友亮 東北大学, 大学院・法学(政治学)研究科, 准教授 (50365003)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 中国の世論 / 世論と輿論 / 政策決定と世論 / 外交と世論 / 戦時下の情報戦・言論戦 / 日中関係と世論 / 中国の対日輿論 / 世論宣伝工作 |
研究概要 |
本研究の目的は、20世紀中国の政策決定過程における「世論」要因について考察することにある。中国の世論は一面で操作されてきたが、一面で権力者の操作を越えた動きを見せ、政策決定に意想外の影響を与えてきた。そして、その世論は国内状況のみならず、国際的な宣伝戦の下で変動する。昨今、中国政治での世論の重要性が強調されているが、従来の研究は、その「世論」要因に明確な解、とりわけ歴史的な視野に基づく解を与えていない。だが、昨今、膨大な行政文書(梢案)、「蒋介石日記」など国家の領袖の私文書、そして1949年以後の資料の公開も相応に進み、漸く実証研究が可能となりつつある。そこで本研究では、それらの資料を用い、情報機関による世論の「世論情報化」、政策決定者(場)の世論認識と判断を、多様な世論工作とともに考察するものである。 平成24年度は4回の研究会を開催し(第4回目は公開ワークショップ)、主に「世論と外交」についての研究動向を分析することで、理論的枠組み構築に向けての解を求めた。 第1回・・6月4日「平成24年度の活動方針と予算の執行について」(於東京大学駒場キャンパス)第2回・・8月30日岩谷將「香港中文大学所蔵の『内部参考』(高級幹部用資料)調査報告」(於岩波書店出版部) 第3回・・11月22日劉建平(中国伝媒大学)「中国の対日輿論と対日政策」(於国際文化会館) 第4回・・平成25年1月27日應俊豪(国立台湾海洋大学)「鼓動輿論以為外交之助:『北洋外交』的輿論宣傳面向」(於東京大学駒場キャンパス) 研究代表者と分担者、協力者は研究遂行に必要な史料調査をアメリカ・スタンフォード大学、台湾・国史館などでそれぞれおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.研究代表者、分担者、協力者はアメリカ、中国、台湾、香港で予定していた史料調査、資料収集を遂行することができた。 2.中国と台湾から世論研究の代表的研究者を招いて研究会を開催し、それを公開とすることで広範で有意義な議論をおこなうことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、国内外の世論と政策に関する研究者を招いて研究会を開催し、また、メンバーも中間発表をおこない、議論を深めていく。研究代表者、分担者、協力者はそれぞれのテーマに沿った調査を実行する。また、日中戦争時に中国と日本が撒いたビラ、ポスターなどの資料を収集し、データベース化する。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)24年度は計画していたホームページの作成、中国からの研究者の招聘を見合わせたため、助成金が90万円以上残った。25年度は京都大学での研究会(国内旅費、謝金など)(2)スタンフォード大学の研究者(5名)を招いてのワークショップ(宿泊費、会場費、謝金、印刷代、複写費、アルバイト代など)(3)アメリカからの研究者(1名)を招いての東北大学での研究会(海外旅費、国内旅費、謝金など)(4)国内外での調査活動:それぞれの事例研究遂行のために国内外で調査をおこなう。対象は、中国、台湾、アメリカ、欧州など(海外・国内旅費、謝金、複写費など)(5)史料および資料のデータベース化の費用などを計画している。
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