研究課題/領域番号 |
24330057
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
月村 太郎 同志社大学, 政策学部, 教授 (70163780)
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研究分担者 |
定形 衛 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20178693)
大庭 千恵子 広島市立大学, 国際学部, 教授 (10256026)
石田 信一 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (80282284)
久保 慶一 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30366976)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ユーゴ後継諸国 / クロアチア / ボスニア / セルビア / コソヴォ / マケドニア / EU |
研究概要 |
本研究では、各自が収集した資料を分析する作業が続けられる一方で、ボスニア(2013年9月、2014年3月)、コソヴォとセルビア(2014年3月)に関係者による現地調査が行われている。 さて、ユーゴ後継諸国について2013年度中に生じた「事件」のうち、最大のものはクロアチアのEU加盟である。2012年までに確定していたとはいえ、クロアチアのEU加盟はユーゴ後継諸国のうちでスロヴェニアに続いて2ヵ国目となり、これは、クロアチアが完全に戦後復興の時期を終えたことを意味する。他方で、EU加盟はクロアチアにとって、建国以来の悲願であったが、それが実現した現在、EU加盟の現実的な評価は別問題であろう。ボスニアは対照的に1992年~1995年の内戦後の傷痕を引きずっている。戦後の対外政策に関しても民族間の対立が残り、NATO加盟プロセスや対トルコ関係を進展させることができないでいる。2014年2月の全土での暴動は、ボスニアの政治的不安定性を浮き彫りにすることとなった。セルビアはEU加盟候補国になったとはいえ、相変わらず、1999年のNATO空爆、2008年のコソヴォ独立の影響を依然として色濃く残している。しかし、大きな転機も起きた。まず、2013年5月にセルビアとコソヴォとの間で国交正常化に関する合意が為されたことである。更に重要なことは、2014年3月のセルビア議会選挙において、セルビア進歩党が圧勝したことである。セルビア進歩党は単独過半数を獲得し、セルビアはEU加盟に更に舵を切ることになろう。マケドニアは、ギリシャとの国名争議などを理由に、依然としてEU加盟交渉を開始できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的を達成するには、現地調査の実施が前提である。この点から見ると、本研究は概ね順調に進んでいると言える。また、EUへの調査が全く実施されていないが、2014年度中に実施される予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は今後も研究計画通りに進められていくと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に予定していた海外調査の一部が実施されなかった為。 平成25年度に予定していた海外調査は、本研究期間のうち平成26年度以降に実施予定である。また、それが不可能となった場合は、研究対象国からの研究者招聘の費用に充てる可能性もある。
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