研究課題/領域番号 |
24330058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
大矢根 聡 同志社大学, 法学部, 教授 (40213889)
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研究分担者 |
山田 高敬 首都大学東京, 社会科学研究者, 教授 (00247602)
石田 淳 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90285081)
宮脇 昇 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50289336)
多湖 淳 神戸大学, 法学研究科, 准教授 (80457035)
西村 邦行 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (70612274)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際関係理論 / リアリズム / リベラリズム / 行動科学 / 国際レジーム論 / 日本的特徴 / 聞き取り調査 |
研究概要 |
「研究の目的」は、日本における国際関係論の理論的研究の特質と意義を問い直す点にある。日本における理論的研究は、主な理論を海外とりわけアメリカから導入したことを特徴としているため、「輸入」状況を実態的に検証し、その受容や援用の仕方に内在する日本の「独創」性に着目する。平成24年度の「研究実施計画」では、研究の打ち合わせ会合の後、(1)文献の収集、(2)統計的調査、(3)研究の先達に対する聞き取り調査を実施し、(4)海外調査を進めることにしていた。 この計画に基づいて、打ち合わせ会合を6月30日に開催し、その際に研究上の問題提起として、研究分担者の石田淳が報告(「国際秩序論」)を行い、議論した。(1)の文献収集は、分担者が個別的に進めた。(2)の統計的調査は、日本国際政治学会の『国際政治』誌の掲載論文と同学会での報告について網羅的に実施し、論文と報告のタイトルをキーワードに基づいて分類・集計した。(3)研究上の先達に対する聞き取り調査については、(a)先人自身とその教えを受けた研究者と、(b)(a)を分析対象としている研究者に報告していただき、討論した。報告は以下の通り(サブタイトルは省略)。「高坂正尭の国際政治学」(中西寛)、「日本の国際政治学」(山本吉宣)、「カーと19世紀自由主義の問題」(山中仁美)、「モーゲンソーの国際政治思想と日本における受容」(宮下豊)。(4)海外調査については、アメリカ政治学会が中止になったこともあって本年度は実施せず、2013年4月のアメリカでの調査から実施し、続いて数人が調査を進める。 以上は、研究の目的を達成するのに不可欠であり、(1)と(2)は研究上の基本的な素材となる。特に(2)は、網羅的な情報がなかったため、客観的な分析を行うために重要な手がかりになる。(3)(a)は、理論の導入に関して、知りえなかった研究上の実情を把握するのに極めて貴重な機会になった。(3)(b)は、近年、国際関係の理論史や理論家に関する研究が進んでいるため、それを視野に入れて本研究を進める上で重要な意義を持っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画のうち、(1)文献の収集、(2)統計的調査、(3)理論研究の先達に対する聞き取り調査は予定通りに進んでいる。それらを通じて、研究の基本をなす理論導入の実態を把握するとともに、それを解釈し、分析するための視点についてもメンバー間で検討が進んでいる。海外調査はなされなかったが、来年度に予定されており、研究に支障は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は来年度以降の「研究実施計画」に基づいて、(1)文献収集を継続し、(2)統計的調査については、研究分担者が利用できるように調査と分析を進める。(3)聞き取り調査も継続し、(4)海外調査は今後本格化する予定である。以上を踏まえ、各理論に関する事例分析の実施に向けて、事例の内容とその分析方法の検討に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の11.に記したように、海外調査が実施できなかったために基金分に残額があるが、次年度に海外調査を計画しており、4月初旬から実施し始め、6月以降にも予定があるなど、順次実施してゆくことになっている。
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