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2012 年度 実績報告書

マクロ動学的確率的一般均衡モデルの統計的推定および評価方法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24330060
研究種目

基盤研究(B)

研究機関一橋大学

研究代表者

加納 隆  一橋大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (90456179)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード為替レート / ランダムウォーク / DSGEモデル / 開放経済 / DSGE-VAR / Unobserved Component model / ベイズ推定
研究概要

平成24年度はまずDSGE-VAR法を実際の分析に実装するため、Del Negro and Schofheide(2004)のコンピュータープログラムを解読し、それをMatlabのプログラムに変換した。この作業を通じてDSGE-VARをより深く理解する事ができ、今後の研究計画の遂行における応用と拡張において極めて重要なステップとなった。
平成24年度の理論的な成果として、データ上で観察される為替レートのランダムウォークネスを2国からなる開放経済の動学的確率的一般均衡(DSGE)モデルにおいて生成される事を示したことを挙げられる。過去多くの為替レート分析が直面してきた実証的事実は、ブレトン・ウッズ体制後の様々な通貨間の変動為替レートの時系列データにおいて、将来予測の精度という点でシンプルなランダムウォークモデルに頑健に打ち勝つことのできる開放マクロ経済の均衡モデルを未だ見いだしていない事である。しかし最近の国際金融論における大きな進展の一つとして,為替レートのランダムウォークネスを経済モデルの均衡解として近似的に導出できることが明らかにされつつある。本研究の理論モデルの貢献は、ランダムウォークに従う為替レートを産み出すファンダメンタルズを識別できることにある。そしてファンダメンタルズが、外国為替市場参加者の持つ無限の将来に及ぶ貨幣供給量の長期トレンドの2国間差に対する現在の期待からの予期せざる乖離(サプライズ)であることが理論上明らかとなる。この結論から、各国中央銀行が貨幣供給量の長期トレンドを規定する金融政策ルールを適切に設定し、それを遵守することが、為替レート変動の安定化にとって必須であることが示唆される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画にあるDSGE-VAR法の実装のためのプログラムを作成しほぼ運用可能になった事。またUnobservedcomponentmodelに制約を与える、画期的な開放経済DSGEモデルを構築する事ができた。これは本研究の研究計画に対し極めて整合的である。

今後の研究の推進方策

平成24年度構築した開放経済DSGEモデルの制約をUCモデルに課して、それの結果得られた構造的UCモデルをベイズ推定する。またDSGE-VAR法の適用を考える。

次年度の研究費の使用計画

外国から研究者を招聘しようとしたが平成24年度は先方の都合が付かなかったため次年度使用額が生じた。平成25年度の予算と合わせて招聘する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Exaggerated death of distance : revisiting distance effects 0n regional price dispersions2013

    • 著者名/発表者名
      Kano, Kazuko, Kano, Takashi, Kazutaka, Takechi
    • 雑誌名

      Journal of International Economics

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1016/j.jinteco.2013.02.002

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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