研究実績の概要 |
平成28年度には、為替レートのlong-run riskモデルをアベノミクス第一の矢の円ドルレートに対する効果の再解釈に応用した論文を、カナダ経済学会(6月)とJIMF-Tokyo Conference(7月)で報告した。本論文は国際金融論に関するトップジャーナルであるJournal of International Money and Financeに採択された(2月)。さらに名目為替レートのランダムウォーク生成する2カ国開放経済DSGEモデルに関する論文が、マクロ経済学・金融論のトップジャーナルであるJournal of Money, Credit, and Bankingから改訂・再投稿請求を受けた(8月)。 また昨年度から実施している, トレンド・インフレを認めた開放経済ニューケインジアンモデルに関する課題研究を進め、実質為替レートの強い持続性と変動性, 実質為替レートと名目為替レートの完全相関, および固定為替レート制と変動為替レート制下での実質為替レート変動といったデータ特性を、同時に説明できることを理論的に示した。本論文は Hitotsubashi Summer Institute(8月), 日本銀行金融研究所(10月)および10th International Conference on Computational and Financial Econometrics(12月, 招待講演)において報告した。本論文は, 平成29年度において, 3rd International Conference on Financial Markets and Nonlinear Dynamics (6月)とInternational Conference on Computing in Economics and Finance (6月)といった国際学会での報告が予定されている。 さらに武蔵野大学経済学部准教授加納和子氏との沖縄返還前後の小売統計調査データを用いた、地域間価格差に対する共通通貨効果の共同研究を進めた。本研究の成果の一部は、平成29年度日本経済学会秋季大会における招待講演(特別報告)で報告する予定である。
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