研究課題
本年度は、昨年度までの成果を踏まえ、データの解析において、従来、個票データの生存時間解析において幅広く使われてきたボックス・コックスのモデルの推定方法において誤差の分布に依存しない画期的な新分析手法の開発に成功した。同モデルはこれまで、正規分布を仮定した最尤推定量(BC MLE)が使われてきたが、BC MLEが一致推定量となるためには”small σ”と呼ばれる仮定が満足される必要があるが、その検定方法を開発した。さらに、この分野において幅広く使われているハウスマン検定には、大きな制約があり、これまでの研究の見直しが必要であることを示した。これらの分析手法を使って、DPCデータを用いて、糖尿病における在院日数の分析を行った。糖尿病はその直接の医療費が1.2兆円(全傷病中第3位)に達する他、糖尿病が合併症として存在する場合、在院日数や在院中の死亡率の増加などが報告されている重要な傷病である。当然のことながら、患者の症状が重い場合や高齢等で特別な場合、その在院日数は長くなるため、これらを考慮した分析が必要となる。分析の結果、患者の属性等を考慮しても病院ごとの在院日数に大きな差があり、在院日数の長い病院において在院日数を短縮することが可能であり、このためは、地方公共団体、保健所、患者会などを通した地域間の協力の重要性が示唆されることを示した。さらに、医療経済分野の研究として、大腿骨骨折後の患者や慢性病患者に対するに対するサポートの問題、看護師のキャリア形成、2014年度診療報酬改定の医業経営への影響等の分析を行った。また、本研究で開発された手法の応用として原子力発電所における請負労働者問題の分析を行った。これらの研究成果は本年度、合計6編の査読付論文、3回の報告、2編の著書として公表されている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) 図書 (2件) 備考 (2件)
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