近年、統計資源の厳しい制約によって必要な統計が適切に提供されなくなっている。公的統計調査の民間委託の増加が統計の質に及ぼす影響に焦点を当てて、地方公共団体の統計主管課と民間調査機関に対してヒアリング調査を実施した。その結果、委託する統計調査の違いよりも委託先の民間調査機関の取組み方による影響が大きいことが分かった。また、民間調査機関が受託した公的統計調査について、統計検定等の資格取得者数と統計調査の質に有意な関係があることが明らかとなった。公的統計調査の民間委託先の選定に際しては、資格取得者数等の基準を調査機関の質の評価に適用することが有効で、公的統計の品質の維持に寄与することが示唆される。
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