研究課題/領域番号 |
24330087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
岡本 亮介 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (60323945)
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研究分担者 |
細江 宜裕 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (60313483)
安田 洋祐 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (70463966)
城所 幸弘 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90283811)
吉田 雄一朗 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (70339919)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 集積の経済 / ネットワーク / 交通 |
研究概要 |
空港、港湾、鉄道、および道路からなる交通ネットワークの整備とその運用方法について、具体的な政策提言につながるような理論的・計量的フレームワークを作り分析することをめざし、とくに、外部性や規模の経済がある社会においては、個別の輸送市場を部分均衡的に分析するのではなく、ネットワーク内での個別リンク間の関係および交通産業と産業立地、コミュニケーションの関係に着目して、これらを一般均衡的に捉えることを試みた。 初年度として、細江(2012)において9地域間電力ネットワークモデルを東日本大震災による電力不足問題に適用した。そこでは、各地域で原子力発電所が運転を停止した場合と、その上で、代替火力発電所を導入した場合をシミュレートし、(卸市場を想定した)電気料金がどの程度上昇するか、また、その上昇を抑えることができるか、さらには、送電線混雑の発生頻度を検討した。その結果、代替電源によって、昼間・夏期のピーク時間帯の電気料金は抑制されるが、オフピーク時間帯ではそれを抑制できないこと、また、送電線の混雑は減少することになり、電源か送電線かという代替関係にあることがわかった。そのほか、城所(2012)では集積の経済が存在する状況において、費用便益分析の手法をどのように改めるべきかを論じた。安田(2012)ではマーケットデザインに関して、周波数オークション等の事例を用いて解説した。 これらの研究活動と平行して、共同研究のプラットフォームとするべく、政策研究センターによる長期学術会議支援事業による支援を受けつつ、ポリシー・モデリング・ワークショップ研究会を今年度6回、さらに、コンファレンスを徳島大学において開催した。そこでは、おもに、貿易・空間分析、規制と産業組織、環境といった分野についての最新の研究報告を行ってもらい、理論と実証の両面から知見を共有・蓄積するように努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交通ネットワークを介して相互に影響し合う外部性の効果と、その内部による最適な社会インフラ整備の方法について、4つの分野に分かれて研究を進めることとし、基礎的な文献調査やデータ収集を進行させた。また、最新の研究動向の調査・情報収集のために研究会を6回開催し、あわせて、コンファレンスを1回開催できたため。
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今後の研究の推進方策 |
なるべく早い段階で、個別テーマについて分析するフレームワーク構築を完了させる。最初の段階では、それぞれのテーマの内部で完結する分析を行うが、完成次第、いくつかのテーマ、あるいは、そのテーマにおいて重要な要因同士で、相互にスピルオーバーするものを抜き出し、複合的な分析を行うことができるよう、個別のフレームワークを拡張することを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
継続的な文献調査、最新の研究動向の情報収集のために研究会を開催するが、そのための旅費に充てる。その他、数値計算によるアプローチをとるための計算機・ソフトウェア等の購入、および、データ入力の人件費等に充てることを計画している。
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