研究課題/領域番号 |
24330088
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70291416)
|
研究分担者 |
宮田 讓 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20190796)
氷鉋 揚四郎 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (90189762)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 自然災害 / 環境政策 / 経済政策 / シミュレーション工学 / 防災 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、前年度までのプロジェクト・政策の調査研究の成果を踏まえて、シミュレーションを用いた実証分析に重みをシフトさせた。 (α)空間経済シミュレーションモデルの開発 シミュレーション結果をGISに組み込み、ビジュアルにシミュレーション結果を効率的に解析するための手法を開発した。地理情報システム(Arc-GIS)と数値計算ソフトの結果を連携することにより、視覚的に解析が行えるツールを設計した。Arc-GISのアニメーション機能を活用して、動学的・空間的なシミュレーション結果を視覚的に評価できるようになった。50期程度の巨大地震の動学シミュレーションの結果をアニメーションにより分析することが可能となった。 (β)プロジェクト・政策の実証分析 自然災害・環境リスクの分析に関しては、主に日本とアジア(中国、インドネシアなど)を対象とした。日本については、47都道府県の地域を対象とし、南海トラフ地震や首都直下型地震といった大規模な地震を例にとりあげ、防災投資と復旧復興投資が地域経済や物流に与える影響を評価した。南海トラフ地震と首都直下型地震については、中央防災会議の最新の被害想定の情報を参考にして、シナリオ設計を行った。中国については、30都市・省の地域を対象としたモデルを用いて、唐山大地震を参考にして、渤海経済地域および中国全土に与える地震の影響を明らかにした。 流域・陸海域環境については、港湾の後背地の諸条件等を前提として、経済と環境を統合したシミュレーションモデルを用いて、環境投資、環境負荷制約、環境税・補助金政策の導入が、地域経済に及ぼす影響を計測した。また、東三河地域の豊川流域圏の地域産業連関表の推計や、三河港を対象とした丁町大字レベルの経済活動の経済効果の計測方法を開発した。 日本地域学会,日本環境共生学会,国際地域学会(PRSCO,ERSA,NARSC)等で研究の成果を報告した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動学空間応用一般均衡モデルの解析結果を、アニメーションで視覚的に表示する方法を開発することができた。 南海トラフ地震、東京首都直下型地震、唐山地震など、巨大地震を例にとりあげ、地震前の防災投資と地震後の復興投資の最適なバランスをシミュレーションで示すことができた。 研究成果の一部については学術論文誌に掲載されており、最新の成果については国内外の学会等において報告を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、研究期間の最終年度となるため、いままでの研究成果を考慮しながら、総括的な研究を実施する。 GISと産業連関表を用いて、地域局所的に発生する自然災害の経済敵被害の影響を計測する方法を開発する。国際と国内物流の拠点である港湾・沿岸域を対象として経済被害の影響を分析する。 国際産業連関表を活用して、グローバルネットワークを考慮した世界空間経済シミュレーションモデルを構築し、自然災害がもたらすグローバルな影響を分析する。
|