研究課題/領域番号 |
24330101
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
佐藤 清隆 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (30311319)
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研究分担者 |
清水 順子 学習院大学, 経済学部, 教授 (70377068)
熊倉 正修 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20347503)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際産業連関表 / 経済ショックの波及 / 均衡為替レート / 最適通貨圏 / 産業別実質実効為替レート / 東アジア |
研究概要 |
本研究は、新しい国際産業連関表の年次データを推計し、(1)近年の世界経済の構造変化や経済ショックの波及が、日本を含む東アジア域内の生産・貿易ネットワークや景気循環の連動性に及ぼす影響を分析する。さらに、(2)上記(1)で得られた実体経済面の連関の変容を踏まえて、各国の均衡為替レートを推計し、最適な通貨圏の経済範囲(地域)を特定することによって、東アジア諸国の為替レート制度選択に関する新しい分析手法とその政策的含意を提示することを目的としている。 平成24年度の第一の研究成果として、日本、アジア、北米、ヨーロッパを含む内生国27か国、外生国61ヵ国、35産業部門に基づく国際産業連関表の作成を進めた。1997年から2010年までの年次データ構築に取り組み、平成25年度中にデータを完成させることを目指して作業を進めてきた。25年度中に、少なくとも一部の年の国際産業連関表を経済学部附属アジア経済社会研究センターのホームページ上で公開する計画である。 第二に、作成を進めてきた国際産業連関表を部分的に活用して、経済ショックの波及が東アジア域内の生産・貿易ネットワークおよび景気循環の同時性にどのような影響を与えるかについての実証分析を行った。その成果は2つの国際学会((1)13th International Convention of East Asian Economic Association in Singapore, 19-20 October 2012、(2)10th Biennial Pacific Rim Conference of Western Economic Association International in Tokyo, 14-17 March 2013)で発表した。 第三に、均衡為替レート推計に取り組む前の準備的研究として、国際産業連関表の構築作業で用いたデータを活用し、新しい実質実効為替レートのデータベースを構築した。これは産業別に実質実効為替レートのデータを構築し公開するという独自の試みであり、独立行政法人経済産業研究所との共同研究という形で昨年度から作業を進めた。すでに日本、中国、韓国の3ヵ国のデータベースを構築し、ホームページ上で公開しており、同データに基づいて5本の論文を執筆し、Discussion Paperとして公表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい国際産業連関表の推計作業は順調に進んでおり、平成25年度中にデータの部分公開を横浜国立大学アジア経済社会研究センターのホームページ上で公開する予定である。また、産業別実質実効為替レートのデータベースも新たに構築し、同データは独立行政法人経済産業研究所のホームページ上で公開している。これらデータベースに基づいて複数の論文も執筆し、Discussion Paperとして公表するなど、順調に研究も進めている。
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今後の研究の推進方策 |
新しい国際産業連関表のデータベース完成とそのホームページ上での公開を行うために、必要に応じてRAの雇用を増やすなどして対応する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度にウィーンで国際ワークショップを開催し、その成果を査読付き国際学術雑誌の特別号として出版することが決まった。そのための開催費用・成果発表費用等として多額の支出が見込まれるため、平成24年度分の基金を翌25年度の執行のために繰り越すこととした。25年度の補助金と合わせて、開催費用・成果発表費用とする。
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