研究課題/領域番号 |
24330109
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉原 薫 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60117950)
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研究分担者 |
久保 亨 信州大学, 人文学部, 教授 (10143520)
岡崎 哲二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90183029)
籠谷 直人 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (70185734)
石川 登 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (50273503)
小堀 聡 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (90456583)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境経済史 / エネルギー / アジア / 貿易 / 発展径路 / 生存基盤 |
研究概要 |
本年度は、やや予定を変更し、他のプロジェクトとの連携によって計6回の研究会や国際ワークショップを開催した。(1)2012年7月27日には、研究代表者[杉原]が総括責任者であった『講座生存基盤論』(全6巻)中4巻の講評会を、京都大学東南アジア研究所と共催で行い、数十名の参加を得て、杉原と佐藤(連携研究者)が報告した。(2)同7月28日に、本科研の第1回研究会を行い、『講座生存基盤論5生存基盤指数』(2012年)の講評と、そこで開発された方法の本研究への適用可能性を議論した。佐藤の報告や、矢口克也氏の講評を中心に、生存基盤指数の作成の過程で明らかになった多くの問題点を共有した。(3)2013年1月11-12日には、京都大学東南アジア研究所とコーネル大学の合同ワークショップを共催し、第1セッションを杉原がコーディネートし、東南アジア地域の歴史的径路依存性について議論した。(4)1月13日に、石川(研究分担者)のプロジェクト(基盤S)との共催で合同研究会を開催し、杉原が東南アジアの第一次産品輸出経済の発展過程におけるバイオマス起源の第一次産品と、石油などの化石資源の相対的比重とその相互関係を論じた。(5)2月2日には、本科研の第2回研究会を行い、生存基盤指数への批判への対応を中心に、本研究の方向性を議論した。(6)同日、『講座生存基盤論』の残りの2巻の講評会を、京都大学東南アジア研究所との共催で行い、同じく数十名の参加を得て、杉原が報告した。以上のように、初年度は、生存基盤論の構築に関わってきた杉原、石川、佐藤が主導し、その成果をいかに吸収し、東アジアを含めた資源・エネルギー利用史に拡大していくかを議論した。 杉原研究室では戦後アジア太平洋に関する貿易統計の入力を行い、それを一部利用して、2012年11月にハーバード大学で環太平洋経済圏の興隆について報告した。その他の個別研究もほぼ順調に進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで生存基盤研究に関わってこなかった東アジア経済史の研究者を播きこんで、問題意識を共有することに重点を置いたので、現在のところ、本研究の直接の成果の出方はやや偏っているが、当初から予想されたことであり、全体としては順調に進んでいると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
これまで基礎的な認識を得るために、統計などのデータ・ベースに集中してきたが、今年度は資源・エネルギー政策関係の二次文献や資料にも視野を拡大して、東アジアの環境経済史研究を進めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外出張の清算が送金の事情から遅れた結果為替レートが変化し、若干の経費が繰越になったが、研究上重要な変更の結果ではない。今年度の海外出張でも、こうした可能性を考慮に入れて計画を立てたい。
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