研究課題/領域番号 |
24330111
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
矢後 和彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30242134)
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研究分担者 |
西川 輝 横浜国立大学, その他の研究科, 准教授 (30622633)
浅井 良夫 成城大学, 経済学部, 教授 (40101620)
伊藤 正直 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (70107499)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経済史 / 経済政策 / 開発経済学 / OECD / 成長理論 |
研究実績の概要 |
本年度は4ヵ年の研究期間の3年度目にあたり、これまで収集・分析した資料をもとに研究の中間的な総括を行い、最終年度に向けた課題を整理した。具体的には、(1)研究分担者・伊藤、浅井、西川がパリのOECD本部に出張して追加的な資料を収集し、研究代表者・矢後がワシントンの世銀本部に出張して「開発」の視点から追加的な資料収集を行った、(2)これらの資料をふまえて研究代表者・矢後と研究分担者・浅井が政治経済学・経済史学会秋季学術大会(2014年10月、青山学院大学)においてパネルディスカッションを組織した、(3)パネルの中間評価をふまえて、研究代表者および研究分担者全員が世界経済史会議(2015年8月、京都開催予定)に向けたセッション報告の準備に着手した。 上記の研究経過のなかでは、OECDの「三大目的」のうち、とりわけ「開発援助」をめぐる論点が彫琢された。OECDの前身たるOEECのもとに創設された開発援助委員会(DAC)、さらにこれを発展させたOECDの開発援助グループ(DAG)、その背後における開発理論の展開と同時代の世銀を拠点とする開発経済学の関係、「開発」と「成長」の異同をめぐる国際機関間の角逐とそこでのOECDの立論、開発金融と1970年代の国際通貨体制、等が検討の俎上に載せられた。その成果の一部は研究論文等の形で発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OECDの歴史研究に必須の資料収集は、追加的なものを含めて本年度で完了した。その中間的総括も順調に進展しており、シンポジウム等は予定通り開催されて高い評価を得ている。 「研究の目的」に掲げられた国際資本移動に関する検証についても、(1)1960年代の国際資本移動についての歴史的・理論的情勢、(2)オイル・ショックと国際資本移動、とりわけオイル・ダラーの動向、(3)開発金融と国際資本移動の関係、等の論点が視野に入り、その分析成果が論文として発表されはじめている。 世界経済史会議セッション報告も申請が採択され、セッションの開催が確定したことで、最終的な成果とりまとめに向けた目途が立つこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究の総括と発表に取り組む。2015年6月に早稲田大学で開催される産業経営研究所アカデミック・フォーラム、2015年8月に京都で開催される世界経済史会議のセッション報告、2015年10月に福島大学で開催される政治経済学・経済史学会における共通論題報告等、大規模学会における国際的・本格的な報告機会を成功させる。 またこれまでに収集した資料をふまえた分析と総括的総合に取り組む。個別の論文発表はもとより、学会の研究動向に大きく寄与できる形式での総括を試みていく。 研究計画の変更は予定されていない。課題としては、英文での成果発表に向けた論文の校閲者を適切に確保していくことがあげられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた海外出張が格安になり、経費が節減された。また当初購入を計画していた研究図書の刊行が次年度に延期されたため。
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次年度使用額の使用計画 |
早稲田大学産業経営研究所で開催されるアカデミック・フォーラムに、OECDとの比較研究に係る専門的知識を得る目的で海外から研究者の招聘を行い、国際パネルでの講演と討論を依頼する予定である。
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