研究課題/領域番号 |
24330128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
竹村 正明 明治大学, 商学部, 教授 (30252381)
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研究分担者 |
井上 隆一郎 東京都市大学, 都市生活学部, 教授 (70438076)
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
山本 尚史 拓殖大学, 政経学部, 教授 (80381341)
滝本 優枝 大阪経済法科大学, 経済学部, 准教授 (30330351)
山本 奈央 名古屋市立大学, 経済学研究科, 講師 (70551662)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 中小企業 / 成長 / イノベーション / エコノミック・ガーデニング |
研究概要 |
平成24年度の主要作業は、次の2つであった。第1に、先行研究の整理である。これは主に2つの作業をおこなった。ひとつは、理論の整理である。エコノミック・ガーデニングは主に経営実践として立ち上がってきたので、その理論がまた十分確立していない。 もっとも有力なのはレジリアンス理論と複雑系理論である。レジリアンス理論は、生態学や心理学で用いられる概念で「回復力」や「撹乱を受けた後の元に戻る能力」と定義される。地域力は、どこまで限界集落への摩擦力を維持できるのかで測定できるというのがそのアイディアである。われわれは限界集落研究を対象とするわけではないので、もう少し異なる理論が必要であることがわかった。そのために、もう少し射程を広げて社会資本論などのネットワーク理論も導入する必要があるだろう。 第2は、エコノミック・ガーデニングの導入についての先行的に事例の収集をおこなった。日本の自治体では51%がこのコンセプトを全く知らず、取り組みを始めている自治体は5件しかない(N=367)。したがって、現在であれば、それらのすべての自治体に先行的な取り組みついて取材をすることが可能であることがわかってきた。 調査の結果は4件の国際学会での発表の一部となった。そこでの議論を経て、理論枠組みなどを修正した。それらの修正は、来年度以降の国際学会への再投稿を予定しているが、それは長期的には国際ジャーナルへの投稿のペーパーとなるので、何度か行う国際学会への参加は殊の外重要になるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度には、先行理論の探索とプレ取材を計画していたが、それらすべての作業が実現したからである。前者は、エコノミック・ガーデニング論に対して少なくとも2つの理論が貢献できることを明らかにした。後者は、藤枝市の取材が実現したからである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、インタビュー調査の継続と平成26年度の質問票調査のためのプレテストを行う。特に、質問票調査は、中小企業総合研究機構が平成24年度に行った大規模な調査があり、それを参考に質問票調査の設計を行い、実証可能な理論命題を検証するための準備をする。
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