研究課題/領域番号 |
24330133
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
小川 孔輔 法政大学, イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (50105855)
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研究分担者 |
上田 隆穂 学習院大学, 経済学部, 教授 (40176590)
古川 一郎 一橋大学, 商学研究科, 教授 (60209161)
西尾 チヅル 筑波大学, ビジネス科学研究科(系), 教授 (80241769)
竹内 淑恵 法政大学, 経営学部, 教授 (40366828)
並木 雄二 法政大学, イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (90589376)
岡本 吉晴 法政大学, イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (20386329)
酒井 理 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (30411466)
松井 剛 一橋大学, 商学研究科, 教授 (70323912)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アジア市場 / マーケティング / ブランド / 標準化 / 現地化 / 日本企業の海外進出 / 消費財 / サービス |
研究概要 |
2013年度は、アジア、とくにASEAN諸国の市場を対象に、日本企業のマーケティング競争力の分析を、欧米韓中企業との総体比較をしながら進めた。また、メーカー、金融、サービス業を中心に、日本企業の海外進出実務担当者や研究者を招き、隔月でセミナーを開催し、事例研究を重ねた(全8回)。また、政治社会経済的な投資環境についてのPEST分析も行った。 理論および日本企業全体の海外戦略面に関する研究としては、前年から引き続き、味の素を事例に、グローバルなマーケティング移転研究が進められ、新しい知見を盛り込みながら、理論的枠組みの精緻化が図られた(林廣茂=研究協力者・中国西安交通大学客員教授)。 また、2013年度の特筆すべき成果として、現地研究者との共同研究・交流の進展が挙げられる。本研究会の主催で、中国・韓国・インドネシア・ベトナムの研究者を招聘し、日本側では小川・林・松井がプレゼンテーターとなり、3月に2日間にわたって国際シンポジウムを開催した。シンポジウムでは、移転理論の枠組みの共通理解を深めるとともに、各国の特定市場をテーマに発表とディスカッションが行われた。一方、古川はホーチミンとマニラの都市ライフスタイルについて現地の各地の共同研究者との共同調査を進め、公益財団法人ハイライフ研究所から日英2カ国語で順次公開されている。 製品(サービス)カテゴリー別の成果としては、中国において、アパレル、時計ブランドの流通関係者を訪問しヒアリングを行うとともに、異なるフォーマットの小売現場を多数訪問し、フィールド調査を実施した(小川)。また、ラーメン店のタイ進出(上田)や、ベトナム等現地のコンビニエンスストアの視察やヒアリングが進められた(並木)。またAL移転の例として、楽天の台湾からタイ、マレーシアなどアジア展開について調査を行っている(岡本)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的枠組みについては、林廣茂・西安交通大学客員教授(研究協力者)の著作を元に、ASEAN、中韓および国内の研究者や、企業の実務経験者と知見を共有することができた。日本国内の実務担当者を中心に、昨年度以上の頻度でインタビューやセミナーを開催し、事例研究の蓄積を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
研究グループは、アジア諸国における日本企業のマーケティング実践を理論的に整理し、「マーケティング技術移転モデル」を構築してきた。今後は、実態調査および国際研究を深化させ、多面的にこのモデルの有効性の検証と精緻化を図っていく。 さらに、共同研究メンバーは、それぞれの分野別に、専門的かつ多角的な観点から(マーケティング戦略、市場調査、消費者行動論、広告コミュニケーション論、環境マーケティング論、ブランド論、流通チャネル論など)、既存理論との関連性を研究する。 (次年度の使用計画) 2014年度は、ASEANでの消費者市場実地視察とネット調査(タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア)を実施する構想がある。現地のマーケティング実践を、ブランドマネジメントと広告コミュニケーション、販売促進活動の「標準化・現地化」の観点から調査し、ブランド移転や市場競争戦略、店舗でのマーケティング活動の実態を分析する。 企業の海外展開担当者を中心にした外部講師による定期的なセミナーは引き続き行うほか、これまでのヒアリングやシンポジウムを当プロジェクトの成果としてまとめて論文化することも目標にしている。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度は海外研究者を招聘して、国際セミナーを開いたため、渡航費その他を多めに見積もっていたが、格安航空券を利用したり、報告書作成関連の費用を次年度に回したため、若干の繰越金が発生した。 2014年度は、国際シンポジウムの成果を踏まえ、ASEANでの消費者市場実地視察およびネット調査を実施する可能性がある。これまでのヒアリングやシンポジウムを当プロジェクトの成果としてまとめて論文化することも目標にしている。
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