研究課題/領域番号 |
24330135
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山本 昭二 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (80220466)
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研究分担者 |
森藤 ちひろ 京都産業大学, 経営学部, 講師 (10529580)
羽室 行信 関西学院大学, 経営戦略研究科, 准教授 (90268235)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 意思決定過程 / 消費行動 / 感情 / 認知科学 |
研究実績の概要 |
本研究は、「選好の構成過程パターンの解析と応用」課題番号21330107で開発が開始された「選(SEN)」という実験プラットフォームを発展させることで、WEB上での消費者の選択行動とインターネット上の店舗における選択行動の分析を行うことを主要な目的としてきた。その過程でプロットフォームが多くの研究者に利用されるように改良を進めて大学院生を始めとして研究室の研究プラットフォームとして利用出来る環境を整えることが出来た。現状では、次のことが可能なシステムとなっている。 まず、本システムの基本であるアンケートでは、条件による分岐と回答による分岐のシステムが装備された。これによって、複雑な実験が可能となり、事前の回答パターンによって提示するWEBページを変化させることが可能となった。この機能は、まだ十分に利用されていないが、消費者の態度によって探索するWEBページを変化させることは合理的であると考えられる。 次に、被験者が任意のWEBページを閲覧した場合でも追跡出来るシステムの開発が行われた。このソフトウェアは現在検証を続けているところである。2015年1月に最初の実証実験が行われた。 最後に、マトリクス型の情報提示システムでは、属性とブランドを転置させる部分が装備され、実験はまだ行われていないが、動作の確認は取れており、延長された研究期間で研究を行う予定である。 この他にもSENの開発で行った改修はhtml5への改修である。これは、現在のシステムがflexで構築されているため、タブレットやスマートフォンの画面で実験が出来ないので、これを改修してレシポンシブルなシステムとすることが企画された。この改修は一部が行われアンケート調査の動作確認は終わっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅延が起こった理由は3点ある。まず第一点は、分岐条件の実装にかなりの時間が掛かってしまったことである。従来のシステムでは、シナリオが設定されるとそのシナリオは順に実行される形になっていたが、条件によって分岐をさせることが当初予定されていなかったために改修に時間が掛かってしまった。そのため、マトリクス型の情報提示実験での属性とブランドを転倒させる実験も実施が遅れてしまい、実験が未達となってしまった。 次にadobe airで実装を考えていたWEB閲覧の実験が実験参加者のOS等の仕組みを明確にすることに時間がかかり結果として実験が遅れる結果となってしまった。このシステムは既に実装が終わっており、予備実験も終わっているので直ぐに検証が行える状態にある。 最後の理由は、Flexで構築されたシステムをhtml5に転換するために半年ほどの時間が必要となったことである。この作業は全てが終わっているわけでは無いが、タブレットやスマートフォンでの実験は、このシステムの汎用性を高めるためには欠かせないものであるので、実現を優先させた。 以上の理由によって研究期間を延長することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、稼働しているSENに関しては現状のままで利用を進めることを考えている。本開発の成果を順次公表しており、これから研究者の利用を積極的に進めることが考をている。システムの解説については、http://www.servicequality.jpで公開を進めており、これらの解説ページを充実させることで多くの研究者に利用を促したい。 また、html5での稼働と同時にレンタルサーバーへの移行が実施され、そこで利用が促進されることとなる。この体制が整えば管理も含めてボランティア組織を募り、運営も行えるようにしたいと考えている。 WEB上の店舗に関する実験では、本年度から挑戦的萌芽的を開始することとなっており、その研究に引き継がれることになっている。主にオムニチャネルを中心とした研究のプラットフォームとして利用されることになる。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験プラットフォームの改修を続ける中で、分岐条件の設定に関して実験のシナリオを分岐させるという大きな改修を行ったので、その改修に時間がかかったことと、被験者のWEB上での遷移を追跡するシステムをadobe airで作成したが、このシステムの動作確認に相当の時間を要したことが大きな要因となっている。 この要因に加えてFlexで作成されたシステムをタブレットやスマートフォンに対応させる必要が出てきたためにhtml5でシステムを作成する作業を進めている。この作業に時間と費用がかかっており、実験に遅延が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した費用は、引き続きhtml5への移行費用と積み残した実験を実施する費用とする。特に店舗に関する実験では、既にシステムは出来上がっているので、多くの研究者に参加を促して、WEB上の店舗を作成して実験を行う予定である。 また、html5で作成された新しいシステム上では、従来の実験とともに異なる画面でWEB上からどの様な情報取得が行われるのかをシミュレート出来るシステムの作成を企画しており、新たな課題を設定して実験を進める予定である。
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