研究課題/領域番号 |
24330157
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研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
金 貞任 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (00364696)
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研究分担者 |
小島 克久 国立社会保障・人口問題研究所, 国際関係部, 第2室長 (80415819)
野口 典子 中京大学, 現代社会学部, 教授 (10142647)
増田 雅暢 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (00284464)
沈 潔 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20305808)
佐々木 貴雄 東京福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (30433634)
岡田 稔 東京福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (30410252)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | (独居)要介護高齢者 / 家族介護者 / 国際比較研究 / 在宅生活 / コミュニティ形成 / 持続可能な在宅生活 / 介護継続意思 / 量的調査 |
研究概要 |
本研究は、日本・韓国・中国と台湾の東アジアの国際比較研究の観点から(独居)要介護高齢者の在宅での生活実態について、類似点と相違点を明らかにし、(独居)要介護高齢者の在宅での生活を持続可能にさせるためのコミュニティ形成に必要な要因を究明し、(独居)要介護高齢者が在宅での生活を持続可能にさせるためのコミュニティの形成に関するモデルを構築し、今後の方向性を示すことである。 本年度は、日韓中と台湾の独居要介護高齢者と家族介護者を対象とした調査を企画、統計的調査を実施し、4地域のデータの入力を完了した。 具体的には、①日本の大崎市、韓国のヨンイン市、中国の青島市、台湾の台北市で独居要介護高齢者と家族介護者を対象に量的調査のための質問項目を作成し、調査票を確定した。②独居要介護高齢者と家族介護者を対象に調査を実施するにあたり、調査員が注意すべき点について、口頭と文書で説明をした。③調査方法として、留置調査と面接調査を実施した。④母集団の選定に関して、日韓は要介護度認定を受けた要介護高齢者の家族介護者と独居要介護高齢者を対象に実施し、中国と台湾では介護保険制度が実施されていないこともあり、現在介護を受けている要介護高齢者の家族介護者と独居要介護高齢者を対象とした。⑤日韓中と台湾の独居要介護高齢者と家族介護者を対象とした調査は完了し、データの入力も完了した。例外的に、韓国の独居要介護高齢者を対象とする調査は、1次調査が完了したが、標本数が少なかったので2次調査を行い、平成26年5月でデータ入力が完了した。 東アジア4地域の在宅の独居要介護高齢者と要介護高齢者の家族を対象に調査を実施することにより、要介護高齢者の在宅での生活を持続可能にさせるためのコミュニティ形成に関するモデルの構築が可能であり、今後の方向性を示すための予備的調査として意義がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の代表者と研究分担者は、独居要介護高齢者と家族介護者を対象とする調査票を作成し、日韓中と台湾の4地域の学者等キーパーソンの協力により、4地域の独居要介護高齢者と家族介護者を対象に留置調査と面接調査の量的調査を実施した。4地域の独居要介護高齢者と家族介護者を対象としたデータの入力が終わり、本年度の研究の目的を達成することができ、本研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、平成25年度に日韓中と台湾にて独居要介護高齢者と要介護高齢者の家族介護者を対象に面接調査と留置調査によって得られたデータをもとにデータ・クリーニング等の処理を行う。4カ国・諸地域で回収されたデータの単純分析とクロス集計を行う。4カ国・諸地域の類似点と相違点に考慮しながら取りまとめを進める。学会等での発表準備を進める。 平成27年度は、平成24年度から平成26年度まで実施・収集したデータの詳細な分析を行い、日韓中と台湾の在宅要介護高齢者の在宅での生活が維持可能にするためのコミュニティの形成に関する政策のあり方やモデルの構築と今後の研究の方向性について研究成果のまとめと報告書を執筆する。研究成果は、日韓中と台湾のみならず海外の関連学会にて口頭発表や論文として学術雑誌への投稿も積極的に行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
日本、韓国、台湾と中国で在宅の独居要介護高齢者と要介護高齢者の家族介護者を対象とした調査を依頼する際、日本と韓国では、データ分析後、調査の結果を調査員や関係者に説明して欲しいという依頼があった。しかし、次年度の科学研究費の予算が限られており、その費用で出張することが困難であると判断した。そこで、調査費用、すなわち留置調査と面接調査、データ入力等に関する費用に関して、各国の調査代表者と交渉することが可能だったので、次年度の使用額が生じた 日本の大崎市では、独居要介護高齢者と家族介護者のデータの分析結果について、調査員であるケアマネジャーを対象に説明など意見交換をする予定であり、会場等の設定は、大崎市の調査代表者がする予定である。 韓国のヨンイン市では、カンナム大学で介護保険関係者、調査員と研究者を対象に独居要介護高齢者と家族介護者の結果について、説明など意見交換をする予定である。韓国のヨンイン市では、意見交換のためにかかる会場、通訳費等費用を、カンナム大学の調査代表者である朴教授の研究費で賄う予定である。 これらの意見交換会をするためには、調査代表者と共同研究者の交通費と滞在費が必要である。日本の大崎市で意見交換会を開く時、韓国の介護保険制度の事情等の説明のために朴教授を招く予定である。
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