研究課題/領域番号 |
24330169
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
古川 彰 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90199422)
|
研究分担者 |
鳥越 皓之 早稲田大学, 人間関係学部, 教授 (80097873)
鬼頭 秀一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40169892)
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
宮内 泰介 北海道大学, 文学研究科, 教授 (50222328)
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90235846)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 小さな共同体 / 災害文化 / ローカルな知 / 河川(流域) / 生活史 |
研究概要 |
本研究は、その蓄積を基礎として「小さな共同体」が経験し対処してきた破局的状況に着目して、社会を襲った「災害」に対する共同体の柔軟で重層的な叡知のもつ実践的可能性を探究し、「小さな共同体」がつくりあげてきた災害に対処する潜在力を、災害経験の文化化(災害文化の生成)としてとらえ、その重層的なメカニズムを具体的に解明することを目的としている。 こうした目的および研究計画に沿って、初年度の平成24年度は、研究代表者・分担者で滋賀県知内むらの共同調査を実施し、問題意識を確認し、共有した。知内むらについては、265年分の村の日記のなかから災害文化化の基礎データの整理を開始した。この歴史的データを踏まえて、現時点で存続・作用している災害文化の実態の聞き取り調査をおこなった。分担者は、各自のフィールドにおいて、担当する小さな共同体における特徴的な災害について、知内むらにおける災害経験の記憶と文化化の過程との比較のための予備的な調査を実施した。同時に、それぞれの地域で水害古写真の収集や地域の文字記録のデータベース化のための準備作業を行った。 フィールド調査以外に、共通の枠組づくりのための基礎作業として、河川工学や地理学などの自然系の水害研究以外の社会科学的、人文学的な水害研究の文献を中心に文献リストを整理し、これまでの自然災害や水害にかかわる研究レビューを行うとともに、そこでの研究の論理の分析方法を検討した。また、文献データのデータベース化のためのプロトコルの調整を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、分担者はすでに長期にわたって共同研究を行っているため、研究目的、方法については十分に共有されている。したがって、初年度ではあったが概ね順調に研究をスタートした。またデータの共有環境がクラウドコンピューティングなどによりスムーズになり、それも計画の進展に寄与した。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り今後も進めていく。
|