研究課題
本研究の研究代表者・分担者は、世界を標準化しようとする強力な力と、それに対抗するローカル化の多様な力の相互作用を「小さなコミュニティ」のイニシアティブという視点から読み解き、それが蓄積してきた知識や実践に今後の社会のあり方を見いだすべく研究を継続してきた。本研究は、その蓄積を基礎として「小さな共同体」が経験し対処してきた破局的状況に着目して、社会を襲った「災害」に対する共同体の柔軟で重層的な叡知のもつ実践的可能性を探究し、「小さな共同体」がつくりあげてきた災害に対処する潜在力を、災害経験の文化化(災害文化の生成)としてとらえ、その重層的なメカニズムを具体的に解明することを目的としている。最終年度の平成26年度は、研究代表者は研究計画に沿って、昨年度に引き続き、滋賀県高島市マキノ地区知内にある265年分の村の日記から抽出した災害関連の古文書を整理し日記との関連づけをおこない、注釈をつける作業をおこなった。同時に大正期以降については文書をともによみながら聞き取り調査をおこなった。分担者もまた昨年度に引き続き、各自のフィールドにおいて担当する小さな共同体における特徴的な災害について、災害経験の記憶と文化化の過程についての聞き取り調査を実施した。各フィールドにおいて水害古写真の収集や地域の文字記録のデータベース化のための作業を継続した。また、最終年度であるため、研究代表者・分担者はそれぞれのデータを整理し、これまでの自然災害や水害にかかわる社会科学的、人文学的研究とともに河川工学や地理学などの自然科学系など他分野の水害研究を参照しつつ分析をおこなった。本研究で収集されたデータについては、今後それぞれがデータベース化し、すでに一部がデータベース化されている知内村の文書とともに共同研究のためのプラットホームとして引き継がれる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 2件) 図書 (9件)
生活文化史
巻: 67号 ページ: 3-20
URBANITIES, IUAES Commission on Urban Anthropology, vol.5
巻: No1 ページ: 印刷中
学術の動向
巻: 第19巻6号 ページ: 77-81
GLOBAL DISCOURSES AND LOCAL PRACTICES: TOWARDS A CREATIVE AND ARTICULATIVE KNOWLEDGE , Department of Sociology Kyoto University
巻: - ページ: 25-32
GLOBAL DISCOURSES AND LOCAL PRACTICES: TOWARDS A CREATIVE AND ARTICULATIVE KNOWLEDGE,Department of Sociology Kyoto University
巻: - ページ: 6-10
民族芸術
巻: 2014年5期 ページ: 22-25
巻: 2014年5期 ページ: 26-29
民間文化論壇
巻: 2014年2期 ページ: 5-6
巻: 2014年2期 ページ: 20-23
日本民俗学
巻: 279 ページ: 33-41