研究課題/領域番号 |
24330174
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
西郷 泰之 大正大学, 人間学部, 教授 (30266241)
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研究分担者 |
野田 敦史 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (60584018)
野澤 義隆 立正大学, 社会福祉学部, 助教 (20550859)
相原 眞人 静岡福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70522184)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ホームスタート / 訪問型子育て支援 / ケースマネジメント / ソーシャルワーク・プロセス / 傾聴 / 協働 / 行動変容 |
研究概要 |
本研究の主な研究目的ごとに整理し報告する。 ●研究目的1「プロシューマーによる訪問型子育て支援としてのホームスタート固有の対象層と効果(担当するニーズ)を明らかにすること」 効果測定尺度開発に向け、昨年度の研究成果としての「利用者の行動変容」をキーワードとした先行研究のレビューを実施し、仮説モデルを設定した。仮説モデルの検証にあたっては、共分散構造分析を使用することを前提に質問紙による量的調査を実施した。調査方法の決定にあたっては、事前に訪問型子育て支援事業所2か所でプレ調査を実施し、調査方法の統一性および調査項目の内容妥当性について検討を行った。 ●研究目的2「ホームスタートのケースマネジメント技法・システムの開発」 ホームスタートのケースマネジメント技法について、全てのホームスタート・スキームのオーガナイザーに対しヒアリングを実施した。その結果、マネジメント技法は概ね適切に実施されていた一方、地域ごとの実情等の違いによりケースマネジメントのプロセスに若干のバリエーションを持たせることの必要性が示唆された。また、当初予定していたイギリスでのケースマネジメント技法に関する情報収集を併せて行った。具体的には、ホームスタートのイギリス本部、及び、活発な活動を展開しているスキームを訪問し、複数のオーガナイザーや運営委員から聞き取りを行った。その結果、イギリスにおいてはジェネラリスト・ソーシャルワークのプロセスに沿ってケースマネジメントが展開されていることや、スーパービジョンの有効性等が確認されたほか、虐待事例や要保護・要支援家庭など比較的重篤な事例を多く扱っている事実などが把握できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
達成状況は上記、平成25年度「研究実績の概要」のとおりであり、科学研究費助成事業交付申請書に照らせば、おおむね当初の計画通りに進捗しているものと考えられる 具体的には、 ●ケースマネジメント技法等に関する調査やインタビューは予定通り進捗している。 ●効果測定のための量的調査については、効果測定尺度開発に向け、24年度の研究成果としての「利用者の行動変容」をキーワードとした先行研究のレビュー等について時間を要したため遅れている。しかし、25年度中には、収集データを共分散構造分析で実施する調査・分析デザインを決定し、質問紙による量的調査を訪問型子育て支援事業所31か所に協力依頼した。26年度内にすべての調査・研究は完了する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
●ケースマネジメント技法等に関する研究は、イギリスでの調査結果を踏まえ、マニュアル化を目指し予定通り実施する。現場での活用可能性も確認し、必要に応じて修正を加えつつ、マニュアルを確定したいと考えている。 ●効果測定のための量的調査に関しては、今年度4月、5月で昨年度に送付できなかった一部の事業所へ調査票を配布し逐次、利用者の回答が送付され次第、調査票をデータ入力を実施する予定である。調査期間は12月末日までであるが、9月上旬時点での入力データを共分散構造分析で解析し、仮説モデルの検証を行う。その結果をホームスタート・ワールドワイドの国際会議で発表する。これらの過程で得られた知見を参考に12月までの最終データを基に最終的な分析・考察を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
効果測定のための調査については、25年度内におおむね終了しているが、一部依頼・配布する事業所が残ったことから予算額を全額執行できなかった。 昨年度に送付できなかった一部事業所へ4月と5月で調査を実施、そのための調査票印刷やお礼、返送用封筒等の配布等経費として使用予定である。
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