研究課題/領域番号 |
24330177
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山口 生史 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 教授 (50257127)
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研究分担者 |
清宮 徹 西南学院大学, 文学部, 教授 (00360298)
福山 和女 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 教授 (20257083)
山口 麻衣 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 准教授 (30425342)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 福祉マネジメント / ケアの質 / 組織コミュニケーション / 組織行動 |
研究実績の概要 |
平成27年度の研究実績としては、2度目の縦断(質問票)調査、成果発表、報告書の作成、データ分析結果に基づく質問項目改訂のための2度のインタビュー調査、質問票改訂のための研究会、そして、質問項目・質問票の改訂があげられる。以下に内容を記述する。 研究初年度からの計画であったパネル(縦断)調査の2回目の実施を、順調に行うことができた。第1回目調査の協力施設のうち、2施設が第2回目の調査に参加しなかったが、新たに調査に加わる事業所があった。また、第1回目で協力いただいた施設に関して、第1回目で回答していただいた職員のみに質問票を配布した施設と第1回目は回答がなかったが、全職員に配布した施設も多くあり、1回目の調査よりも2回目の調査の方が質問票の回収率も回収数も増加した。調査そのものは、当初の計画通り成功裏に完了することができた。 調査後は、予定通り、データの分析を行い、徐々に成果発表を行うという当初の予定通り研究は進んだ。研究代表者としては、6月と10月に国際学会での成果発表を行い、8月には国内での成果発表も行っている。別欄の研究成果の報告のとおり、研究分担者の研究成果も含めて、目標通りの成果発表をすることができたと考えている。また、1回目に続き、2回目調査の報告書も発行し、各調査協力施設に訪問し、報告をした。また、某施設では、本研究のデータ分析に基づいて施設内研修を行った。 本研究プロジェクトの目的の一つであるコミュニケーション・オーディット指標の開発のために、昨年度当初、上述した2度の縦断質問票調査で得たデータを詳細に分析し、問題点を発見し、再度調査を行うことを計画していた。データ分析の結果、改善の余地がある点を明確にできたため、介護職員を対象に秋(10月)にフォーカスグループインタビューと冬(1月)にインタビュー調査を行い、研究会で議論をした。そして、質問項目の改訂を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5年間のプロジェクトの4年目を終えた時点で、ほとんど当初の計画通りに進捗していると言える。しかし、昨年度当初、計画していた2度目の調査だけでは(つまり2回の縦断調査だけでは)、コミュニケーション・オーディットの指標の完成には、十分ではないのではないかと研究を重ねることでわかってきたことから、研究会などで検討をし、昨年度の初め、本研究プロジェクト開始の4年前には計画の無かったWEB調査の実施を新たに追加調査として計画した。そして、1度目と2度目の縦断調査で得たデータ分析の結果に基づいて、フォーカスグループインタビューやインタビュー調査を実施し、昨年度初めの計画通り、質問票を改訂することができ、WEB調査の準備はすべて整った。しかし、改訂版質問項目によるWEB調査の実施そのものは、年度末が近くなり、学内手続きも含め、WEB調査の業務依頼を行う企業の選定に時間がかかり、本年度の5月にずれ込んだ。よって、5年間プロジェクト全体における過去4年間の進捗状況としては、おおむね順調に進展しているが、新たに実施計画に加えた最後の調査が年度を越えている分は、単年度で判断すればやや遅れていると言えるかもしれない。ただし、上述したように手続きの遅れによるもので、研究の実施の準備は年度内に十分できていたことから、おおむね順調で、深刻な遅れはないと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の今年度は、全ての調査が5月に終了し、あとは計画通り、成果の発表と成果の発信に時間とエネルギーを費やすこととなる。成果発表に関しては、国内および国外の研究学会での発表、専門ジャーナルへの投稿を計画している。実際、6月に福岡で開催される日本コミュニケーション学会の年次大会で、研究チームとしてシンポジウム形式の90分の企画セッションに、研究代表者、分担者、研究協力者で登壇することが、審査を通過し決まっている。また、研究代表者としては、10月に米国アルバカーキーで開催される予定のAssociation for Business Communicationでの口頭発表を申し込み、審査は高評価ですでに通過している。他の研究分担者も海外発表の予定が決まっている者もいる。成果の発信として、独自に研究フォーラムなども計画している。また、研究対象である介護業界に寄与するため、開発している指標を実践向き仕様にして、WEBにより指標を公開し、アクセスして利用してもらえるようなシスム作りも可能かどうか検討中である。研究代表者、分担者、研究協力者全員が一部でも執筆する研究報告書の作成も計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度末に、質問票の質問項目の完成のため、2度の質問票縦断調査のデータ分析の結果に基づき改訂した質問項目をテストするため、WEB調査を行う予定であった。しかしながら、業務委託業者の選定の手続きに予想以上の時間がかかり、年度末に行う子ができなかったために、予定の経費が未使用となた。そのWEB調査の実施は今年度5月にずれこんだが、その経費が次年度使用額分の7割から8割分を占めている。残りの分は、昨年の2度の海外研究報告に必要とする経費が、学内の別の補助で賄えたことで節約できたためである。両者の予定経費を合わせると、次年度使用額との整合性がとれる。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し分の7割から8割は今年度5月に実施をするWEB調査業務委託費に使われることが確実となっている(すでに発注済みである)。残りの分は、成果発表の費用や研究成果の発信(質問項目の実践的利用を可能にするホームページの開設も検討中)に、本年度の補助金と合算して、使う予定である。
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