研究課題/領域番号 |
24330191
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
加藤 道代 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60312526)
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研究分担者 |
神谷 哲司 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (60352548)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | coparenting(夫婦ペアレンティング) / 子育て期 / 親の発達 / gatekeeping / 夫婦ペアレンティング調整尺度 |
研究概要 |
(1)海外では、父親による子育てへの関与行動を阻害すると思われる母親のgatekeeping行動について指摘されているが、日本では未だ注目されていない。"夫婦としてともに"子育てにあたる夫婦ペアレンティング(coparenting)のメカニズムを探ることを目的とした申請研究の第一歩として、主として海外のgatekeeping研究を概観し、その概念、関連要因、研究手法を整理し、日本における夫婦ペアレンティング研究に関する課題をまとめた。その結果、父親の子育て関与に対する母親の行動を否定的・肯定的調整行動の両面からとらえること、乳幼児期に限らず様々な発達段階にある子育てにおいて、父母がどのように"夫婦としてともに"子育てにあたっているのかという夫婦ペアレンティングの実態を明らかすることの必要性が指摘された。その成果は東北心理学会(2012年7月)において発表し、レビュー論文としてまとめた(2012年12月)。 (2)(1)を受けて父親の子育て関与に対する母親の調整行動を測定する尺度を作成した。 Shoppe-Sullivan(2008)によるParental Regulation Inventory(PRI)短縮版をもとに、異なる年代の子どもを育てる時期にある日本人夫婦に使用できるように翻訳修正した。末子が0~21歳の子どもをもつ母親(N=500)と父親(N=500)を対象にインターネット調査を行った。探索的因子分析により2因子が抽出され、「促進」および「批判」と命名された。得られた尺度は、内的一貫性の高さと再検査法の安定性から、十分な信頼性が確認された。構成概念妥当性は、育児における協働感(parenting-alliance)、結婚満足度、父親の育児関与との相関により確認され、夫婦ペアレンティング(coparenting)に対する母親の行動を評定する尺度として妥当であることが示された。その成果は16^<th> European Conference on Developmental Psychology(2013年9月)において発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定どおり、文献レビューの実施と測定尺度作成のための調査研究を終了した。その成果は、学会で発表され、年度内に紀要論文に掲載された。また、別途、調査結果をまとめた査読誌投稿論文を作成中であり、次年度の国際学会での発表も予定されている。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画どおり、子育ての困難さと母親から父親への夫婦ペアレンティング調整行動が養育行動に与える影響について質問紙調査を行う。幅広い子ども年齢に使用可能な尺度の選別が課題であるため、予備調査により既存の尺度の信頼性を確認しながら進めることも念頭に入れている。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度効率的に使用した結果としての未使用額(7,471円)である。次年度の旅費の補填として使用する予定である。
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