研究課題/領域番号 |
24330203
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
森 茂起 甲南大学, 文学部, 教授 (00174368)
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研究分担者 |
福井 義一 甲南大学, 文学部, 教授 (20368400)
安梅 勅江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20201907)
田中 究 神戸大学, 医学部, 講師 (20273790)
海野 千畝子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (30584875)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 児童養護施設 / 成育環境 / HOME / 子どもの心理的・社会的・行動的問題 / 社会的養護 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、児童養護施設における調査の継続と、25年度までの成果を用いた学会発表、および学会の場でのシンポジウム開催を行った。調査では、「児童養護施設子育ち環境評価尺度」(思春期前期HOME施設版)を、兵庫県の全児童養護施設で実施するとともに、評定者間の一致度を確認することを目指した。また、25年度で実施した調査で用いた児童票(子どもの情報を児童職員が記入する質問紙)のデータに欠損値が多かったため、分析に利用可能な項目に絞って形式を簡素化した児童票改訂版を用いた実態調査を並行して行った。8月より実施した施設訪問による調査の結果から、評定者間の一致が低かったため、8月末で一旦調査を中断し、9月より項目と評定基準の見直しを行い、実施マニュアルの精緻化と項目の改訂を行った。その上で、実施者間の評定基準を統一し、調査を再開した。基準の見直し等の作業に時間を要したため、調査の一部は27年度に持ち越された。この過程を通して、HOME様式と実施マニュアルは完成形に達した。 学会発表は、「第14回世界乳幼児精神保健学会WAIMH」(UK,エジンバラ)、および第20回日本子ども虐待防止学会(名古屋、世界子ども虐待防止学会と共催)で行った。前者では、25年度までのデータの分析に基づく中間報告を行った。後者では、本研究プロジェクトに関わる演者とHOMEの開発者B.Bradley氏が参加Skype参加)してシンポジウムを構成し、本研究の中間報告と、HOMEを用いた実証的データに基づく子育て支援のあり方の展望、および、その中での施設版HOMEの役割、施設における今後の子育ち環境改善への展望について議論した。 これらと並行して、投稿論文を準備した(英語論文1本、日本語論文1本、論集への寄稿論文1本)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
HOMEの評定基準の改訂と評価者間の一致に時間を要したため、26年度に予定していた児童養護施設調査が年度内に終了しなかった。論文化を進めているが、年度内に採択に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
前年度よりの調査を継続するとともに、すでに得られているデータの分析を進める。結果を、学会発表、論文に公開していく。最終年度にあたるため、成果を整理し、次年度からの企画につなげるための研究会、シンポジウムを開催する。本研究で使用した研究デザインやHOME等の調査ツールは、すでに他の研究者によって参照され、利用され始めている。それらの研究者との連携、共同も視野に入れながら、さらに広い視野に立った児童養護施設の養育環境、成育環境の改善、さらには社会的養護における児童養護施設の役割の明確化に向けた研究および実践を構想していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度中の調査計画が終了しなかったため、一部次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度に行う調査の中に組み込んで使用する。
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