研究課題/領域番号 |
24330207
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 寿一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30172894)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム / 社会的認知 / 顔処理 / 模倣 |
研究概要 |
平成24年度は、自閉症者と定型発達者を対象に、こちらを見ている顔(アイコンタクト)への気づきやすさ(意識にのぼりやすいかどうか)について、実験的に検討を行った。これまで、自閉症者を対象として、アイコンタクトに対する意識へののぼりやすさを検討したものはほとんどなかった。今回は、連続フラッシュ抑制を用いて、こちらを見ている顔あるいはよそを見ている顔を呈示し、網膜上には映っているはずであるのに意識的には見えていない状態を作り出し、意識へののぼりやすさについて比較した。その結果、定型発達者では、こちらを見ている顔はよそを見ている顔にくらべて、意識にのぼるのが早いことが示され、先行研究の結果が追認された。一方、自閉症者では、こちらを見ている顔とよそを見ている顔の間で、意識へののぼりやすさに違いはなかった。他者のアイコンタクトに対して気づきやすいということは、社会性の発達にとって重要であると考えられるため、今回の結果は、自閉症児の社会性の初期発達に関わる重要な知見だと考えられる。また、より低年齢の自閉症児・定型発達児を対象に、アイコンタクトと手の模倣行動の関係について検討し、対面したモデルとアイコンタクトを確立することで、自閉症児における手のポーズの模倣成績が向上する可能性も示唆された。その他、顔状刺激へのN170(顔に選択的に反応する脳波成分)の振幅が教示によって変化するのかどうかなど、自閉症児/者および定型発達児/者における顔処理について、認知神経科学的手法も取り入れ、さまざまな角度から検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に計画・実施した研究課題について、結果を統計学的に処理する上で十分な実験データを収集することができ、研究成果を国際学術誌へ投稿する準備が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に得られた結果をもとに、今後も継続して自閉症児/者・定型発達児/者を対象とした実験心理学的研究を実施する。特に、幼児を対象とした研究も開始することを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究課題は3年計画で、残り2年間も継続して実験を行うため、初年度に研究費総額の大半が配分となった助成金を使い切ることはせず、翌年度の研究費とあわせて、実験参加者への謝金や実験に関わる物品費などに使用する予定である。
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