本研究は,輪郭による強調,反対眼効果,残像選択,写真色残効という4つの現象から色残効の分析を行い,色残効の生起に皮質が関与することを明らかにした.色残効は,順応後のテスト段階で,順応部位に枠を提示すると強調される.また,その枠を,反対眼に提示すると,短時間の陽性残効が生じる.この反対眼効果は,両眼情報の統合によって生じるものであり,皮質の関与が必要である.本研究では,この二つの現象が2次輪郭でも生じること,また,網膜座標に決定されるのみならず,世界座標,身体座標系からの修飾が生じることも見いだし,皮質の関与の重要性を明確に示すことができた.
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