• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

若者支援政策の評価枠組み構築に向けた日欧比較研究~「社会的教育学」援用の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 24330222
研究機関法政大学

研究代表者

平塚 眞樹  法政大学, 社会学部, 教授 (10224289)

研究分担者 大串 隆吉  首都大学東京, 都市教養学部, 名誉教授 (70086932)
乾 彰夫  首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (90168419)
中西 新太郎  横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (50155769)
宮崎 隆志  北海道大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10190761)
横井 敏郎  北海道大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40250401)
木戸口 正宏  北海道教育大学, 教育学部, 講師 (90405093)
岡 幸江  九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (50294856)
南出 吉祥  岐阜大学, 地域科学部, 助教 (70593292)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード若者政策 / 日欧比較 / 政策評価 / social pedagogy / youth work
研究概要

2013年度は、2回の全体研究会および実践現場訪問と、2012年度に引き続き三度目の海外研修の実施とその報告書の作成がおもな共同研究活動であった。
1. 第一回の全体研究会は2013年7月に札幌市内で開催し、初日はアカシア若者活動センター、および若者支援総合センターの現場訪問・ヒアリングを実施し、二日目の研究会では、(1)3月に実施したイギリス研修旅行報告、(2)海外研修のふりかえり、(3)札幌市若者支援行政(札幌市子ども未来局)の学習と検討、(4)若者支援の事業・実践評価をめぐる学習、(5)海外研修の実施計画討議などを実施した。
2. 2012年度から通算三回目の海外研修は、9月上中旬に15名の参加を得て実施された。訪問先はデンマークにおけるフリースクール、生産学校、social pedagogy研究者訪問、イギリスにおける(デタッチド)ユースワーク現場および研究者の訪問、フィンランドにおける若者ワークショップ、ユースワーク事業評価担当者などのヒアリングである。帰国後、全訪問先記録とふりかえりを掲載した報告集を作成した。
3.第二回の全体研究会は2014年1月に東京都内で開催し、初日はエルムアカデミー、NPO法人NIREの訪問・ヒアリングを実施し、二日目の研究会では、(1)海外研修の総括、(2)事業評価、実践評価に関する学習、(3)2014年6月のセミナー実施計画、および同年12月の国際交流セミナー実施計画などを協議し、(4)NPO文化学習協同ネットワークの現場訪問を実施した。
4.3月末には翌年度実施予定の国際交流セミナーの準備でフィンランドを訪問し、日程調整や招聘者の相談、実施形態をめぐる意見交換をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は以下2点にある。①我が国における若者自立支援政策の急展開という今日的状況のもとで、その政策の社会的作用を自律的に分析し、今後の方向性を適切に示唆しうる政策評価の枠組みを、日本各地の有力な実践現場と関わりをもつ研究者と実践者により、共同的に開発すること。②その際、若者支援政策の評価の手がかりとなる学問的背景として、ヨーロッパに発達した社会的教育学(Social Pedagogy)に着目し、フィンランド、デンマーク、イギリス、アイルランド4カ国の研究者、行政担当者、実践者との交流・討議を通して、日本の実践・政策における有効な参照のあり方を共同的に明らかにし、社会的成果として公表すること。
本研究の問いは、若者自立支援政策を適切に改善するための政策評価はいかにあるべきか?を明らかにすることである。その際、これまでに得てきた(1)国内各地の若者支援実践との継続的関係と、(2)ヨーロッパにおける若者政策・実践関係者との継続的関係、これら二つのネットワークの交わり合いの核に社会的教育学を位置づけ、交流・討議を通して我が国固有の若者政策評価枠組みを構築したいと考えている。
当初実施二年目にあたる2013年度には、上記目的に迫るための第一回国際交流セミナーを実施予定であったが、2012年度の海外研修を経て、かみ合った共同学習を展開するためには、より良く欧州の若者支援現場を知ることが必要と考え、2013年度は再度海外研修を行うこととした。その結果、海外研修を経て実施した2013年度第二回全体研究会では、次年度(2014年度)における国際交流セミナーとその準備会としてのキックオフセミナーの実施イメージを十分共有することができ、次年度への良きプロセスを作ることができた。

今後の研究の推進方策

2014年度は、(1)国際交流セミナーに向けた問題意識喚起のための「キックオフセミナー」を東京で実施、(2)国際交流セミナー実施準備(8月にフィンランドで事前打ち合わせ)、(3)フィンランドにおけるユースワーク行政関係者を招聘して国際交流セミナーの札幌、東京、京都における連続開催(12月)、(4)全体研究会(セミナーのふりかえり+次年度国際交流セミナー企画+テキスト作成討議)を実施する予定である。
2015年度には、イギリスのユースワーク研究者を招聘して第二回国際交流セミナーを実施するとともに、2回の国際交流セミナーの成果を踏まえて、日本における若者支援実践の実践・事業評価の枠組み・手法を提示するテキストの編集作業を進める予定である。またあわせて実践・事業評価のための調査計画を策定し、次期科研費共同研究へとつなぎたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

2014年度における国際交流セミナーへの海外からの招聘予算を確保するため、次年度への繰り越しを行うこととした。
国際交流セミナーへのゲスト講師招聘費用にあてる計画である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 労働・コミュニティからの排除と若者支援―社会教育への一つの問題提起―2013

    • 著者名/発表者名
      乾彰夫
    • 雑誌名

      労働の場のエンパワーメント 日本の社会教育

      巻: 第57集 ページ: 56~57

  • [雑誌論文] 悩む若者 日本と諸外国の実情2013

    • 著者名/発表者名
      平塚眞樹
    • 雑誌名

      ユースサービス

      巻: 15号 ページ: 3~6

  • [雑誌論文] 学生とともに「働くこと」を学ぶ(教養科目「現代社会と教育」における試み)その1 -大学生のアルバイト経験に関する調査と大学教育・学生支援の課題-2013

    • 著者名/発表者名
      木戸口正宏
    • 雑誌名

      釧路論集 : 北海道教育大学釧路分校研究報告

      巻: 45 ページ: 75~84

  • [学会発表] Precarious Transition in Japan: Who are in precarity and How they feel it?

    • 著者名/発表者名
      Akio Inui, Maki Hirtsuka, Akihiko Higuchi
    • 学会等名
      New Agendas on Youth and Young Adulthood: Youth Studies Conference 2013
    • 発表場所
      グラスゴー大学(グラスゴー市・英国)
  • [学会発表] 「学校からの排除」への行政的関与~欧州における「学校からのドロップアウト削減政策」の試み

    • 著者名/発表者名
      平塚眞樹
    • 学会等名
      日本教育行政学会大会
    • 発表場所
      京都大学吉田キャンパス(京都市)
    • 招待講演
  • [学会発表] ユースワークから教育学の外延を拓くー教育・福祉・コミュニティ

    • 著者名/発表者名
      平塚眞樹
    • 学会等名
      九州大学大学院人間環境学府学際シンポジウム2014
    • 発表場所
      九州大学箱崎キャンパス(博多市)
    • 招待講演
  • [図書] 教育機会格差と教育行政-転換期の教育保障を展望する、第5章 日本の自治体不登校ガバナンスの課題――行政分野間関係の視点から2013

    • 著者名/発表者名
      日本教育行政学会(全8名執筆中5番目横井敏郎)
    • 総ページ数
      165(101-120)
    • 出版者
      福村出版
  • [図書] 高卒5年、どう生き、これからどう生きるのか―若者たちが今〈大人になる〉とは2013

    • 著者名/発表者名
      乾彰夫
    • 総ページ数
      365
    • 出版者
      大月書店

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi