• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

基層文化概念を核とした〔伝統的な言語文化〕の系統的実践モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24330243
研究機関信州大学

研究代表者

藤森 裕治  信州大学, 教育学部, 教授 (00313817)

研究分担者 西 一夫  信州大学, 教育学部, 教授 (20422701)
岩男 考哲  信州大学, 教育学部, 准教授 (30578274)
八木 雄一郎  信州大学, 教育学部, 准教授 (80571322)
新井 浅浩  城西大学, 経営学部, 教授 (80269357)
藤森 千尋  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10707657)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード基層文化概念 / 伝統的な言語文化 / 系統的実践モデル / 国際研究者交流 / 授業研究 / 教科書悉皆調査 / 語彙 / イギリス:台湾:中国:韓国
研究概要

(1)小学校・中学校国語教科書の悉皆調査:平成24年度版として発行された小学校・中学校国語教科書における「伝統的な言語文化」関連語彙の悉皆調査として「時候・天文・地理・年中行事・生活・動物・植物」に関する語彙の収集を行い、データベース化(該当語彙28000語)を完成。平成18年度版との比較分析をもとにした学会発表を行った。
(2)実践場面分析:①信州大学教育学部附属長野小学校・中学校において文学教材をもとにした公開授業研究を行い、作品に登場する語彙が背景に持つ文化伝統について考察した。②長野市立飯縄中学校において、「蝉」及び「猫」を素材にした古今の詩歌を教材化した授業研究を行い、「伝統的な言語文化」の教材概念を検討した。③英国サリー県West byfleet Jr. school、George Abbot secondary school、Pyrford CA primary school、ハートフォード県Wroxham primary schoolにおいて言語教育と人格形成・文化伝統との関連をはかる授業指導を参観し、英国における「伝統的な言語文化」にかかる授業の実際例を取材した。このうち、Wroxham primary schoolの取り組みについては朝日新聞(2014.1.10朝刊)で取り上げられた。④長野県野沢北高等学校、飯山北高等学校において伝統的な言語文化にかかる授業を研究代表者及が行い、課題探究としての国語科授業の在り方について分析を行った。
(3)教材開発等:教材開発を行い、その成果を学会において発表するとともに、文部科学省主催の調査研究、各地教育委員会における教員研修、中学校国語教科書及び高等学校「古典A」教科書の載録教材に反映させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

・アジア地域の調査研究として中国への渡航調査を予定していたが、当該年度も内外の諸事情により調査の実施に至らなかった。ただし、台湾への渡航調査については分担者が継続的に行っており、その成果が期待される。
・英国調査においては学会誌(査読付き)に掲載されるなど、成果が見られた。特に、調査対象校が英国内でも最も優秀な学校として評価され、校長が女王陛下からDimeの称号を与えられるなど、調査内容の実質的な意義が極めて高いと判断される。
・教科書悉皆調査に基づく分析調査が実現し、学会発表を行った。18年度版に比べて23年度版の伝統的な言語文化関連語彙は2.5倍に増加し、「月」について極めて語彙数が増加するなどの発見が得られた。
・授業研究の中で、表現活動における伝統的な言語文化関連教材として、語彙に着目することの意義が把握され、系統的な実践モデルへの大きな示唆を得た。
・複数の高等学校で授業研究を行い、「古典A」を主とする「伝統的な言語文化」の教科内容とその学習指導方法を具体的に提示し得た。

今後の研究の推進方策

引き続き、教科書悉皆調査に基づく「伝統的な言語文化」の分析研究、国内外の授業研究に基づく「伝統的な言語文化」の実践研究、及びこれらと文献調査に基づく系統的実践モデルの構築と提案を行う。今後は、完成年度に向けて学会や学会誌での発表をこれまで以上に重ねていく。また、研究代表者はNHK教育テレビの高校講座でレギュラー講師となったので(平成26年度『国語表現』)、そこにおいて当該研究の成果を生かした番組作りを行う。

次年度の研究費の使用計画

中国への渡航調査が、諸般の事情により実現できなかったため。
平成26年度請求額は当初計画通り執行し、平成25年度未使用額は、アジア圏の伝統的な言語文化関連調査を実施するための旅費に充てる。

  • 研究成果

    (26件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 5件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] イギリスの「きく」学校に学ぶ2014

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 雑誌名

      指導と評価

      巻: 60 ページ: 9-11

  • [雑誌論文] イギリスの読書教育:児童への聴き取り調査を中心に2014

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治・新井浅浩
    • 雑誌名

      読書科学

      巻: 56-1 ページ: 1-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『更級日記』の対称性:空間論的分析による古典文学教材研究2014

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 雑誌名

      国語科教育

      巻: 75 ページ: 88-95

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 漢詩の教材研究:対比の視点から杜甫「絶句」を読む2014

    • 著者名/発表者名
      西一夫
    • 雑誌名

      信大国語教育

      巻: 23 ページ: 1-8

  • [雑誌論文] イングランド初等・中等教育における自律的学習者の育成:形成的自己評価につながる「学習の自己モニタリング」に着目した授業分析2014

    • 著者名/発表者名
      藤森千尋
    • 雑誌名

      自律した学習者を育てる英語教育の探求 小中高大を接続することばの教育として

      巻: 82 ページ: 63-77

  • [雑誌論文] 説明的文章における四人の「筆者」2013

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 32-15 ページ: 14-23

  • [雑誌論文] 苦しさ=楽しさとしてのことばの学び2013

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 雑誌名

      指導と評価

      巻: 59 ページ: 10-12

  • [雑誌論文] 平安初期漢文書簡にみる書儀・尺牘の受容2013

    • 著者名/発表者名
      西一夫
    • 雑誌名

      跨域性日語教育国際学術研討會論文集

      巻: 1 ページ: 161-168

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「ときたら」構文と「といったら」構文の評価的意味2013

    • 著者名/発表者名
      岩男考哲
    • 雑誌名

      信州大学教育学部研究論集

      巻: 6 ページ: 63-74

    • 査読あり
  • [学会発表] 山上憶良の情愛2014

    • 著者名/発表者名
      西一夫
    • 学会等名
      中野市立図書館文学講座
    • 発表場所
      中野市立図書館
    • 年月日
      20140222-20140222
  • [学会発表] 子どもの頃の読書は成人の現在にどう影響するか2014

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 学会等名
      青少年教育振興機構、文字・活字文化振興機構
    • 発表場所
      福岡銀行FFGホール
    • 年月日
      20140215-20140215
    • 招待講演
  • [学会発表] 子どもと読書:本との出会いがどのように子どもの人生に影響を与えるか2013

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 学会等名
      ひょうご子ども読書活動推進フォーラム
    • 発表場所
      神戸学院大学
    • 年月日
      20131221-20131221
    • 招待講演
  • [学会発表] 引用形式が名詞をつなぐ表現の研究:「という」「といった」と「とか」をめぐって2013

    • 著者名/発表者名
      岩男考哲
    • 学会等名
      日本語文法学会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      20131201-20131201
  • [学会発表] 国語教科書悉皆調査による「伝統的な言語文化」関連語彙の出現状況2013

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 学会等名
      第125回全国大学国語教育学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      20131026-20131026
    • 招待講演
  • [学会発表] 引用形式が名詞をつなぐ表現の研究2013

    • 著者名/発表者名
      岩男考哲
    • 学会等名
      TLM研究会
    • 発表場所
      神戸女学院大学
    • 年月日
      20130913-20130913
  • [学会発表] イギリスの読書教育2013

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治・新井浅浩
    • 学会等名
      日本読書学会
    • 発表場所
      林野会館
    • 年月日
      20130804-20130804
  • [学会発表] 交流の学習指導について2013

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 学会等名
      文教大学国語国文学会
    • 発表場所
      文教大学越谷キャンパス
    • 年月日
      20130803-20130803
    • 招待講演
  • [学会発表] 国語科教育の「これまで」と「これから」2013

    • 著者名/発表者名
      八木雄一郎
    • 学会等名
      長野市上水内郡中学校教科会国語部会
    • 発表場所
      長野市吉田公民館
    • 年月日
      20130801-20130801
  • [学会発表] 内容節の内容とは何か2013

    • 著者名/発表者名
      岩男考哲
    • 学会等名
      TLM研究会
    • 発表場所
      神戸女学院大学
    • 年月日
      20130714-20130714
  • [学会発表] 奈良平安初期漢文書簡にみる書儀・尺牘の受容2013

    • 著者名/発表者名
      西一夫
    • 学会等名
      上代文学会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      20130713-20130713
  • [学会発表] すぐれた論理は美しい2013

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 学会等名
      日本国語教育学会
    • 発表場所
      飯田市立飯田東中学校
    • 年月日
      20130712-20130712
    • 招待講演
  • [学会発表] 平安初期漢文書簡にみる書儀・尺牘の受容2013

    • 著者名/発表者名
      西一夫
    • 学会等名
      跨域性日語教育国際学術研討會
    • 発表場所
      中国文化大学(台湾)
    • 年月日
      20130518-20130518
  • [図書] 中学校・高等学校国語科教育法研究2013

    • 著者名/発表者名
      田近洵一・鳴島甫・藤森裕治・西一夫 他29名
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      東洋館出版社
  • [図書] 国語科教育学研究の成果と展望II2013

    • 著者名/発表者名
      望月善次・鶴田清司・藤森裕治・八木雄一郎 他70名
    • 総ページ数
      574
    • 出版者
      学芸図書
  • [図書] すぐれた論理は美しい:Bマップ法でひらくことばの学び2013

    • 著者名/発表者名
      藤森裕治
    • 総ページ数
      212
    • 出版者
      東洋館出版社
  • [備考] 信州大学教育学部研究者総覧

    • URL

      http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/education/course/teacher/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi