本研究において、私立学校にも発達障害をはじめ特別な配慮を要する幼児児童生徒が在籍しているにもかかわらず、組織的に対応できていない問題状況が浮き彫りになった。私立学校の独自性を尊重しながらも、私立学校にも特別支援教育システムを早急に構築していくことが不可欠である。今後、私立学校における特別支援教育の体制整備を積極的に促進することにより、従来の私立学校教育における「私立学校法と学校教育法」「独自性と公共性」という二項対立が次第に解消されて、特別支援教育を行うことが私立学校の「公共性」を担保するとともに、私立学校ならではの教育の「独自性」の展開の可能性を広げていくことになると考える。
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