研究課題/領域番号 |
24340003
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡田 聡一 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (20224016)
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研究分担者 |
石川 雅雄 琉球大学, 教育学部, 教授 (40243373)
松本 詔 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (60547553)
中西 知樹 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (80227842)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 平面分割 / 交代符号行列 / 組合せ論 / 表現論 / 対称関数 / 数理物理学 |
研究実績の概要 |
平面分割,交代符号行列は代数的組合せ論の核となる対象であり,表現論,数理物理学などの他の分野においても重要な役割を果たしている.この研究では,他分野との関係を念頭におきつつ,(1) Weylの指標公式の交代符号行列による変形,Andrews-Robbins予想,(q,t)フック公式,(2) 交代符号行列,平面分割の精密な数え上げ(構造の解析),ASM-TSSCPP対応の構成,(3) クラスター代数,ストリング理論への応用,などをテーマとして,これらに関するさまざまな未解決問題を解決すること,さまざまな側面を統一的に理解,説明すること,得られた公式,手法などを他の分野へフィードバックすることを目標としている.
2013 年度の研究では,分割の列の長さに制限を課した Schur 関数に対する Littlewood 型の公式(R. King による)に対して,小行列の和公式と Schur の Pfaffian の一般化を用いた別証明を与えるとともに,Littlewood 型の公式の変種,拡張を見出した.この研究の過程で見出した Schur 型の Pfaffian を用いることによって,特別な分割に対応する Schur の Q 関数のSchur 関数による展開公式に代数的な証明を与えた.また,伊藤 洋介との共同研究において,parking function に付随して得られる対称群の表現の一般化として,複素鏡映群上のある種の類関数とその q-類似が表現の指標となるための条件を完全に決定し,対応する q-Catalan 数の多項式性との関連を見出した.さらに,Jang Soo Kim との共同研究では,shape, shifted shape の一般化となる半順序集合に対する Kim-Oh の結果の完全な q-類似を与えることに成功した.
名古屋組合せ論セミナーを主催した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組合せ論,表現論において重要な役割を果たしている Littlewood の公式の一般化が得られただけでなく,そこで新たに見出した Schur 型 Pfaffian を用いることによって予期していなかった応用も得られた.研究テーマによって達成度に差があるものの,全体としてはほぼ順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
制限を課した Littlewood の公式の組合せ論への応用,parking function の一般化に関する研究も計画に組み込む.
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次年度使用額が生じた理由 |
アメリカで開催される研究集会に参加するための旅費,滞在費の支出を予定していたが,旅費,滞在費を先方負担当として当該研究集会に招待されたため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
上記研究集会で行った研究打ち合わせの内容を発展させるために,研究者の招聘などを行う予定である.
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