研究課題/領域番号 |
24340004
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊山 修 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70347532)
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研究分担者 |
高橋 亮 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (40447719)
毛利 出 静岡大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50436903)
源 泰幸 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50527885)
DEMONET Laurent 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特任准教授 (70646124)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 三角圏 / 傾対象 / 準傾退化 / Calabi-Yau退化 / 団圏 / τ rigid有限多元環 / 台τ傾加群 / Geigle-Lenzing完全交叉環 |
研究実績の概要 |
傾対象(tilting object)は三角圏を環の導来圏として実現する際に基本的であり、準傾対象(silting object)は傾対象を変異の観点から補完する。D. Yangとの共同研究(arXiv:1408.2678)で、準傾退化(silting reduction)を導入して基本的な性質を調べた。準傾退化は、三角圏Tとその前準傾対象(presilting object) Pからイデアル商として構成される新しい三角圏Uのことである。Calabi-Yau三角圏とそのrigid対象から新しい三角圏(Calabi-Yau退化)が構成されるが、準傾退化はその類似である。重要な性質として、UはVerdier商T/thick Pと一致すること、さらにUの準傾対象とPを直和因子に持つようなTの準傾対象が一対一に対応することが挙げられる。団理論で重要なAmiot-Guo-Kellerによる団圏(cluster category) CはCalabi-Yau三角圏の一例だが、これはGinzburg dg algebraの導来圏Tの特別なVerdier商であった。我々はTの準傾退化とCのCalabi-Yau退化が互換性を有することを、より自然な状況のもとで証明することに成功した。
L. Demonet, G. Jassoとの共同研究(arXiv:1503.00285)で、τ rigid加群を有限個しか持たないτ rigid有限多元環を調べた。τ rigid有限多元環は、任意のねじれ類が関手的有限であることで特徴づけられることを示した。さらに台τ傾加群のなす単体的複体が球面と同相であることを示した。 M. Herschend, H. Minamoto, S. OppermannとのGeigle-Lenzing完全交叉環に関する共同研究を継続し、成果をarXiv:1409.0668にて公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Geigle-Lenzing完全交叉環に関する論文が完成した。準傾退化に関する論文、およびτ rigid有限多元環に関する論文も完成した。
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今後の研究の推進方策 |
前射影多元環上の表現論と、対応するCoxeter群の組み合わせ論に関する研究を深化させる予定。同時に、部分前射影多元環を応用して、3次元超局面特異点を研究する予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
少額であり、誤差の範囲内である。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費の一部として使用する予定である。
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