研究概要 |
研究代表者は,1998年から,結び目と素数の類似に基づく,3次元トポロジーと数論の間の相互啓発的研究を行い,数論的位相幾何学という新領域の基礎付けを行ってきた。この基礎付けにより提起される問題,応用が多数あり,本研究課題もこれらのもんだいの解決,さらに数理物理との関係を追求することが目的である。本年度の研究成果の具体的内容は,次の通りである. (1)寺嶋郁二氏(東大工)との共同研究で,非アーベル岩澤理論の枠組みで,トポロジーにおけるJohnson写像の数論的類似を導入して,そのコホモロジー的な性質を調べた.これについて3つの国際研究集会,1つの国内研究集会で発表した. (2)大学院生(天野,小谷,坂元,吉田)との共同研究で,Redeiのトリプル記号の解析的表示を保型形式のフーリエ係数を用いて与えた。これはMilnorのトリプルまつわり数の解析的表示の類似である.これについて,論文にまとめ,国内研究集会で発表した. (3)学生(キム,小谷)との共同研究で,べき零難体論の幾何学的類似を考え,論文にまとめた.これについて学生が国内のセミナーで発表した。 さらに,場の理論とモチーフの類似性について考察した。そのために加藤晃史氏(東大)を訪問し,議論を行った。そのために科研費を役立たせた。
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