研究実績の概要 |
当該年度に実行した研究成果の具体的内容は次の通りである。数論的位相幾何学において、次の3編の論文を著した。 1. Masanori Morishita, Yu Takakura, Yuji Terashima, Jun Ueki; On the universal deformations for SL_2-representations of knot groups, arXiv:1409.4226. この論文では、結び目理論と数論の類似に基づき、 MazurのGalois表現の変形論に従い、結び目群のSL_2-表現の変形について研究した。 2. Fumiya Amano, Masanori Morishita; Arithmetic Milnor invariants and multiple power residue symbols in number fields, arXiv:1412.6894. この論文では、素数と結び目の類似に基づき、代数体の素イデアルに対して数論的Milnor不変量と多重べき剰余記号を導入した。新しい例として、円の3分体上27次のHeisenberg拡大を具体的に構成することによりトリプルキュービック記号を論じ、エタールコホモロジーにおけるMassey積によるコホモロジー的解釈を与えた。 3. Takahiro Kitayama, Masanori Morishita, Ryoto Tange, Yuji Terashima; On certain L-functions for deformations of knot group representations, preprint. この論文では、上記論文1の続きとして、結び目群のSL_2-表現の普遍変形に対するねじれ結び目加群を研究し、付随するL-関数を導入した。このL-関数の零点の位数に関するMazurの問題について、いくつかの具体的な2橋結び目に対して肯定的な解答を与えた。
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