研究概要 |
平成24年度における「研究の目的」は, 1.特異空間上の山辺の問題, 2.リッチ・フローによる退化したアインシュタインの計量の研究, 3.正スカラー曲率のisotopy類と山辺不変量の手術理論の研究, の3つであった. 研究目的-1に関しては,GCarron氏およびR.Mazzeo氏との共同研究で,staratified空間に対するAubinの不等式,およびその空間上でのジェネリックな場合の山辺の問題の可解性を示し,既にプレプリントを作成している.さらに彼らとの研究で,山辺の問題を(一般に測度距離空間とは限らない)確率空間上の問題までに拡張して研究中である.対応するAubinの不等式やジェネリックな場合の山辺の問題の可解性など,一般化することでその本質が理解でき,この方向の研究は重要である. 研究目的-2,3に関して,この1年間は必要な知識の獲得のため勉強および研究連絡を行うことに集中した.残念ながら,これらに関しては特に新しい研究成果は得ていない. しかし,リッチ・フローは4次元の山辺不変量や退化したアインシュタインの計量の研究において重要である.これらは平均曲率流との深い相関があり,あわせて研究する必要があることを認識した.また佐々木-アインシュタイン計量の研究は山辺不変量の手術理論の研究において重要であり,平成25年度以降,平成24年度の研究をもとに研究を続行し,具体的成果を得たい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特異空間上の山辺の問題は当初の計画より,格段に進展した.すなわち必ずしも距離構造を持たない測度空間の上で山辺の問題が定式化でき,その可解性を示せるなど,非常に一般化できることが分かった.それ以外の研究目的は,予定通り必要な知識の獲得のための学習および研究連絡を行った.
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