研究実績の概要 |
「edge-coneアインシュタイン計量と山辺不変量の研究」に関して,予想以上に深い内容へと研究が進み,この研究成果の概略をOberwolfach研究所のReport No.36としてまとめた. 特に特異山辺計量の非存在に関して新たに興味深い結果を得ているので,この一連の研究成果はさらに詳しく欧文の論文として,2018年度内にまとめ投稿する予定である.今後この研究の一つの目標として,(滑らかなケーラー・アインシュタイン計量存在に収束しない)edge-coneケーラー・アインシュタイン計量の族の場合に,具体的な山辺定数の計算や計量族の崩壊現象を解析することが重要であることを認識した. 本研究と関係した研究内容として,4次元球面上のアインシュタイン計量に関する剛性定理の興味深い結果を得た.この研究は, 一般の4次元多様体上のアインシュタイン計量の研究,およびsupremeアインシュタイン計量の研究と将来深くかかわっていくと期待している. 3次元リッチフローの族の研究は急速に発展している.他方,「4次元リッチフローと山辺不変量の研究」および「特異リッチフローの研究」は未だ研究中の段階で,2017年度中に顕著な結果を得ることができなかった.しかしながら,特に特異リッチフローに関しては,この研究が多くの可能性を内包する研究対象であることを認識した.
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