研究概要 |
正則ホモトピーを考えることによる Goldman-Turaev Lie 代数の精密化がえられた。この精密化の完備化にも、これまでと同様に Torelli 群が埋め込める。この精密化した Turaev 余括弧積の定数項から、境界成分が一つの場合は 榎本-佐藤トレースが導かれ、種数 0 の場合は柏原-Vergne 問題における発散コサイクルに Earle 類に相当する第一項を足したものが導かれる。とくに、Johnson 核で 榎本-佐藤トレースが 0 になることの幾何学的別証がえられた。これは古田幹雄の与えた Earle 類のコサイクルの高次への拡張になっている。 本研究の 2012 年度までの成果を含む概説 The Goldman-Turaev Lie bialgebra and the Johnson homomorphisms, arXiv: 1304.1885 (2013) を連携研究者の久野雄介ともに書いた。 以下の4つの研究集会を共催/主催した。(1) Workshop: Johnson homomorphisms (2013 年 6 月 3 日- 6 月 7 日, 東大数理),(2) 研究集会「複素解析的ベクトル場・葉層構造とその周辺」(2013 年 6 月 7 日- 6 月 9 日, 龍谷大学セミナーハウスともいき荘),(3) 研究集会「リーマン面に関連する位相幾何学」(2013 年 8 月 26 日- 29 日, 東大数理),(4) 研究集会「2013年度ホモトピー論シンポジウム」(2013 年 11 月 2 日 - 4 日, 岡山大学). http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~kawazumi/kibanB.html にそれぞれの集会の website へのリンクが張ってある。また、特任研究員を 1 名雇用した。
|