研究課題/領域番号 |
24340012
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大槻 知忠 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50223871)
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研究分担者 |
谷山 公規 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10247207)
平澤 美可三 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00337908)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 結び目 / 3次元多様体 / 不変量 |
研究実績の概要 |
結び目と3次元多様体の不変量について研究をおこなった。 結び目の Kashaev 不変量と双曲体積を関連づける体積予想は、量子トポロジーと双曲幾何をむすびつける懸案の予想であり、最近10年間 世界的にこの分野の中心的な話題となってきた重要な予想である。筆者は、5_2結び目に対して、Kashaev 不変量の漸近展開を精密に計算し、その最初の項に双曲体積が現われることを証明した。これは、この結び目に対して、体積予想が証明されたことを意味する。筆者は、この論文を学術誌に投稿し、受理された。また、筆者は「結び目の不変量」について著書を執筆し、共立出版から出版された。 筆者は、連携研究者の鎌田聖一氏と協力して、2015年5月に数理解析研究所において研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」を開催した。この研究集会において、筆者は problem session を企画し、その成果として未解決問題集を編集した。この研究集会の報告集を数理研講究録として出版した。また、筆者は、研究分担者の平澤美可三氏と協力して、2015年8月に名古屋工業大学において「トポロジーシンポジウム」を開催した。また、研究分担者の谷山公規氏は、2015年12月に早稲田大学において研究集会「結び目の数学」を開催した。また、筆者は連携研究者の葉廣和夫氏と協力して数理解析研究所においてトポロジーセミナーを開催した。これらの研究集会等は筆者や研究分担者や連携研究者との共同研究をすすめるにあたって、また、大学院生等の若手研究者との研究交流の面からも、大変有益であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」と「トポロジーシンポジウム」と研究集会「結び目の数学」は予定通りに開催され、十分な成果をあげた。 Kashaev不変量の漸近展開について、論文が学術誌に受理された。著書の「結び目の不変量」が出版された。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」を開催する予定であり、準備をすすめている。Kashaev 不変量の漸近展開についての研究もすすめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
量子トポロジーにおいて、従来は主に結び目と3次元多様体の不変量が研究されてきた。近年、3次元多様体を境界としてもつ4次元多様体の不変量を考えることにより、3次元多様体の不変量の圏化が得られることが明らかになりつつある。その典型的な例は、3次元多様体のCasson不変量の圏化として Floer homology が構成されることである。量子トポロジーのさらなる発展のために、Floer homology とその組合せ版である Heegaard Floer homology の研究を深めることをめざす。
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次年度使用額の使用計画 |
量子トポロジーにおいて重要な不変量である Floer homology と Heegaard Floer homology の研究を深めるため、これらをテーマとして研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」を開催する予定であり、そのための経費が必要である。
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