研究課題/領域番号 |
24340015
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 朋広 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (90210707)
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研究分担者 |
増田 弘毅 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (10380669)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 統計数学 / 機械学習 / 解析学 |
研究実績の概要 |
マルチンゲールに対する漸近展開は,混合型中心極限定理の精密化に発展し,その方法は,ボラティリティの推定のような非エルゴード的統計学で基礎的である.リアライズドボラティリティの漸近展開はその例であるが,その一般化であるp-変動の漸近展開,さらにマイクロストラクチャーノイズに対するプレアべレージングをしたボラティリティ推定量の漸近展開の研究の深化を図った.有限時間高頻度観測下のボラティリティ・パラメータの擬似尤度解析の結果と,非エルゴード系に対するマルチンゲール展開の結果を使い,推定量の漸近展開の導出を行っている.また,エルゴード的および非エルゴード的点過程に対する擬似尤度解析の構築を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マルチンゲール展開の新しい応用に関して当初の計画以上の進展があった.本課題のテーマの一つであった擬似尤度解析の発展研究に関して,ボラティリティのパラメトリック推定や,点過程への応用が進み,これも予定していた以上の成果があった.
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今後の研究の推進方策 |
摂動モデルに対する汎関数の期待値の漸近展開による高次近似計算に関して,学習理論による誤差評価の問題に対して多くの知見を得た.この研究は漸近展開公式のさらなる一般化と表裏であり,両者の追求が重要である.点過程に対する擬似尤度解析の構築は,応用上重要であるばかりでなく,エルゴード性の証明や非エルゴード的状況での極限定理の導出など,極限定理としても研究課題がある.
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次年度使用額が生じた理由 |
摂動系における漸近展開の計算の自動化の基礎となる,一般摂動モデルに対する高次展開公式の生成,実装,および学習理論による誤差制御に関して新たな方向が見出され,それにともなう実験と解析を行う.分布論的漸近展開の方法の深化を図る.
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次年度使用額の使用計画 |
出張等により,研究者との共同研究,成果発表と議論,および情報収集を行う.
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