捩率一定の離散空間曲線の離散時間発展を記述する、離散変形KdV方程式および離散sine-Gordon方程式について考察を行った。これらの方程式によって記述される離散的な曲線の変形が、isoperimetric条件を満たす接触平面上の捩率保存等長変形として定式化されることを明らかにした。空間曲線のisoperimetricな等距離変形は、一般には捩率を保存しないが、変形パラメーターを適切にとることによって捩率保存変形を実現することができる。しかも離散時間発展の各時間ステップごとに、離散変形KdV方程式に従う変形と離散sine-Gordon方程式に従う変形を自由に選ぶことが可能である。空間曲線はSym-Tafelの公式を用いて変形のデータから再構成される。これらの離散空間曲線の離散的な変形は離散K曲面を生成することが示された。 ある種の結合型非線形Schroedinger型方程式系に対して、集束型非集束型のそれぞれの場合についてbright型、dark型、それらの混在型のソリトン解のうち、どの組合せの解が存在するかを明らかにした。単独方程式の場合と異なり、結合型方程式系においては解の自由度が高く、様々な境界条件に対応するソリトン解が存在しうる。タウ関数を行列式またはPfaffianによって表現することにより、相互作用を記述するパラメーターが解の中に現れる機構を明らかにした。同様の解析を結合型Yajima-Oikawa方程式系に対して行い、非線形Schroedinger方程式の場合とは解の構造において顕著な違いがあることがわかった。
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