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2016 年度 実績報告書

多成分結合型可積分系に対する双線形化法による統一的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24340029
研究機関神戸大学

研究代表者

太田 泰広  神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10213745)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2018-03-31
キーワード結合型可積分系 / 双線形化法 / ソリトン
研究実績の概要

無分散波動方程式の多成分化によってえられる実および複素変数型結合系が、空間曲線の時間的変形を記述することを幾何学的に明らかにし、ホドグラフ変換を介して実および複素変数型短波方程式に帰着されることを示した。幾何学的にLax対を構成することによって、これらの結合系の可積分性を示し、解空間の構造を代数的に研究することによって、拡張された二成分KP系列からこの多成分無分散波動方程式系を導出することができることを見いだした。行列式によるタウ関数の表示を用いて、ソリトン解などの具体的な解の構成を行った。
退化Ostrovsky方程式に対する二成分拡張を提出し、その方程式系が二成分Degasperis-Procesi方程式の短波極限として現れることを示した。Lax対を構成してこの方程式系の可積分性を明らかにし、BKP系列の擬3簡約にホドグラフ変換を施すことによって具体的な解の構成を行った。離散ホドグラフ変換を行うことにより、空間離散二成分退化Ostrovsky方程式を提出した。
これらの結合系においては、非線形方程式の多成分化によって解の代数構造が本質的に変化し、タウ関数の表示が行列式からパフィアンに移行する場合があるが、いくつかの方程式系においては多成分化を行わなくても離散化するだけでパフィアンによって解が与えられることが示された。また、通常では解空間が自明に縮退するような1型簡約が、多成分パフィアンにおいては非自明な構造をもちうることを見いだし、このような簡約によって導出される方程式の階層を構成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

結合型可積分系および関連するソリトン方程式系において、パフィアン解の代数構造を含めて、双線形化法による理解が深まったから。

今後の研究の推進方策

結合型可積分系のパフィアン解に対する1型簡約によって導出される方程式の階層について、簡約によって退化した解空間の代数構造をソリトン理論における双線形化法を用いて解析する。

次年度使用額が生じた理由

結合型可積分系の新しい簡約が見いだされ、当初の計画より研究が進展したので、より精緻に研究を実施するため。

次年度使用額の使用計画

研究打合せ旅費、成果発表旅費、消耗品費として使用する計画。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] A two-component generalization of the reduced Ostrovsky equation and its integrable semi-discrete analogue2017

    • 著者名/発表者名
      B.-F. Feng, K. Maruno and Y. Ohta
    • 雑誌名

      J. Phys. A: Math. Theor.

      巻: 50 ページ: 055201

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] From the real and complex coupled dispersionless equations to the real and complex short pulse equations2016

    • 著者名/発表者名
      S. Shen, B.-F. Feng and Y. Ohta
    • 雑誌名

      Stud. Appl. Math.

      巻: 136 ページ: 64-88

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2018-01-16  

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